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6月のフォーム変更が転機。自己最多13勝、CSファイナルに挑む『小さな大投手』石川雅規【新・燕軍戦記#15】

2009、2011、2012年と、これまで3度のクライマックスシリーズで、いずれも涙を呑んできた東京ヤクルトスワローズ。しかし、14年ぶりのリーグ優勝を果たした今年は、本拠地・神宮でファイナルステージを迎えることができる。その初戦の先発が有力視されているのが、今シーズンは自己最多に並ぶ13勝を挙げた石川雅規である。

2015/10/13

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変化を恐れぬきっかけとなった宮本氏の言葉

「(1勝の)アドバンテージがあるといってもないに等しいと思うので、まずは初戦が大事になってくる。相手は(ファーストステージで)厳しい戦いを勝ち上がって乗り込んでくるわけで、やっぱり勢いもあると思います。1戦目がすごく大事になってくるのかなと思いますね」

 そう話すのはヤクルトの投手陣では日本人最年長、35歳にして自己最多タイの今季チームトップ13勝を挙げた石川雅規だ。いよいよ14日に幕を開けるクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ。これまで2009、2011、2012年と、CSには3度挑みながら、いずれも敵地で敗れ去ってきた。それだけに「CSを勝ち上がって日本シリーズに行かないと(リーグ優勝の)意味がない」と、初めて本拠地・神宮で迎えるファイナルステージ突破に燃えている。

 昨シーズンは3年ぶり、10度目の2ケタ勝利をマーク。チームの勝ち頭となって復活の兆しを見せたが、今シーズンは6月まで13試合の登板で4勝7敗、防御率3.91と苦しんだ。特に6月は3度の先発でいずれも5回を持たずにKOされ、6月21日には登録抹消。だが、この二軍落ちが石川にとって大きな転機となった。

「ファームに落ちてから、ちょっと(投球)フォームを変えたんですよ。(二軍の)石井(弘寿)コーチと投げ込みをして、その時に気づいた点を言ってくれて……。正直、そこから調子が上がってきたんで、そこでもう一度感覚をつかめたのかなと思います」

 一軍から離れていた約2週間の間、投げ急ぐことのないようタメを意識し、しっかりと下半身を使ったフォームに取り組んだ。知らず知らずのうちにヒジが下がり、横振りになっていた腕の振りも修正した。シーズン途中でも、変化を恐れずに新しいことにチャレンジできたのは、まだ現役だった当時の宮本慎也氏(現評論家)からかけられた言葉があったからだという。

「宮本さんに言われたんですよ。『お前、このままじゃダメだぞ』って。宮本さんはその年(2013年)で辞められたんですけど、僕も8勝(12年)、6勝(13年)に終わっていて……。ヘンな話、年齢を重ねるとあんまり人に言われなくなってくるんですけど、宮本さんは『お前、このままじゃ終わるぞ』ってドン!と言ってくれて。それまでは踏ん切りがつかなかったというか、変化は怖いなっていうのが自分の中であったんですけど、そこからは怖がらずに思い切ってやれるようになりました」

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