CSファイナル、ヤクルト優位動かず。巨人は「2点勝負」に持ち込めるか?【野口寿浩の眼】
セリーグのクライマックス・シリーズ(CS)ファーストステージは、シーズン2位の巨人が3位の阪神を2勝1敗で下した。これにより10月14日から神宮球場で行われるCSファイナルステージのカードが決定。日本一に進むのは、セリーグ王者のヤクルトか、それとも巨人か。解説者の野口寿浩氏にCSファーストステージを振り返りつつ、ファイナルステージの展望を占ってもらった。
2015/10/13
打線と菅野の状態が不安
巨人はCSファーストステージをなんとか突破しましたが、シーズン同様、打線が振るわず、厳しい戦いを強いられました。ランナーを得点圏に進めても、あと1本が出ない。まさに今シーズンの巨人を象徴するような試合でした。
本音をいえば、巨人は2連勝で突破したかったはずです。もし2連勝で突破していれば、ヤクルトとの初戦にポレダ、2戦目に内海哲也、3戦目に中5日でマイコラス、4戦目に同じく中5日で菅野智之を起用できた。
それが3戦までもつれたことで、マイコラス、菅野、ポレダの3本柱をすべて起用せざるを得なくなり、ファイナルステージの初戦で彼らを使うことができなくなってしまった。もし2戦目から3本柱を登板させるには中4日となってしまい、コンディション的にも不安が残ります。
そしてなにより気がかりなのが、ファーストステージ2戦目に先発し、4回4失点でKOされた菅野の状態です。緊張していたのか、それとも負けられないというプレッシャーからか、いつもの菅野ではありませんでした。ストライクとボールがはっきりし、ボールのキレもなかった。これが一時的なものならいいのですが、次もこのような投球だとヤクルト打線を抑えるのは難しいでしょう。
今シーズン、菅野はヤクルトに0勝4敗、防御率6.10と打ち込まれており、神宮球場では一度も勝っていません。今回のCSファイナルステージは、ヤクルト打線と巨人投手陣の戦いになると思っています。それも川端慎吾、山田哲人、畠山和洋のタイトルホルダーが並ぶヤクルト打線と互角に渡り合うには、3本柱が万全であることが最低条件です。もし菅野の状態が上がっていないとなると……巨人は敗退を覚悟しないといけないでしょうね。
それに今季、巨人はヤクルトに13勝12敗と勝ち越していますが、神宮球場では3勝8敗と大きく負け越し。ファイナルステージはすべて神宮球場で開催され、ヤクルトに1勝のアドバンテージもあります。ただでさえ巨人は不利な条件が揃っており、6戦で4勝するのは至難の業です。