今季巨人戦4勝、神宮での勝率は驚異の9割。CS突破のカギ握るヤクルト・石川雅規
14日よりクライマックスシリーズファイナルステージが始まる。2位巨人と対決する、セリーグ覇者のヤクルト。今季のヤクルト打線は、巨人を上回る強力さ。だからこそ投手陣の出来がカギを握る。キーマンはやはり小さな大エースだ。
2015/10/14
優勝争いのチームを支えた、小さな大エース
大混戦のセリーグを制したヤクルト。14年振りの栄冠を手に入れることができたのも、小さな大エース・石川雅規の存在が大きかった。
石川の2015年レギュラーシーズンの成績を見てみよう。
13勝9敗、防御率3.31。2年連続の2桁勝利(2014年は10勝10敗)を挙げ、2011年(10勝9敗)以来、4年振りに勝ち星先行の成績を収めた。
特に優勝争いが熾烈を極めた終盤、8月25日~9月27日のほぼ1カ月の間、先発登板した6試合で無傷の6連勝を飾っている。
石川は「8月終わりから9月にかけて、監督さんが信頼してくれて中4日だったり中5日で使い続けてくれた」と、真中監督の期待に見事に応える力投を続けた。
6連勝時の投球内容は以下の通りだ。
◆石川のシーズン終盤6試合の成績
8月25日 対巨人戦 7回2/3 4安打2失点 投球数95球
9月4日 対広島戦 5回 6安打1失点 投球数90球
9月10日 対DeNA戦 6回2/3 2安打無失点 投球数85球
9月16日 対DeNA戦 7回 4安打1失点 投球数92球
9月22日 対広島戦 6回 3安打1失点 投球数74球
9月27日 対巨人戦 5回 3安打1失点 投球数74球
中でも、マジック「3」を点灯させた、9月27日・東京ドームでの巨人との大一番。
負ければゲーム差なしに迫られる試合で5回3安打1失点と好投。巨人・菅野とのエース対決を制した。優勝会見で石川は「しびれる試合でしたけど、自分がやって来たことを信じて、前のバッターを一人一人という気持ちが結果的にチームの勝利につながった」と振り返っている。
石川の持ち味は低めへの制球力。特にシンカーを低めに集めることで、相手打者から空振りやゴロの山を築く。逆に高めに浮いたときは痛打されることが多い。終盤は優勝争いの緊張感の中で丁寧な投球を心掛けた。それが、結果的に低めへの制球力につながったといっていい。
9月は5勝0敗、防御率1.21の好成績で自身3度目の「月間MVP」も受賞。リーグ唯一の月間5勝だった。5~7回を1失点以下に抑え、球数も多くて90球前後にまとめた。