超一流選手なのに引き立て役? 記憶に残る「伝説の名場面」の相手役5選
2022/02/04
産経新聞社
イチロー対林昌勇 WBC2009伝説の決勝戦
2009年3月23日(ドジャースタジアム) 韓国対日本 延長10回表2死一、三塁
日本中が熱狂したイチローの一打。今大会不振に喘いでいた日本の主役が、ここ一番で勝負強さを発揮した。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)連覇は、多くのファンに夢を与えたのではないだろうか。
一方で、この時イチローに対峙したのが、当時東京ヤクルトスワローズにも所属していた守護神・林昌勇(イム・チャンヨン)。うねるサイドハンドから150キロを超える剛球を繰り出す右腕だ。この日は9回から登板しており回を跨いでのマウンド。9回表を無失点に抑えて裏の同点劇へと繋げていた。
しかし、イチローの打席の前までで29球を投じていた。9回の対戦でもイチローに右越え二塁打を浴びており、決して相性が良いとは言えない相手だ。しかし、ここは意地と意地とのぶつかり合い。張り詰めた空気の中、真っ向勝負で「伝説の8球」の相手方を演じた。
林昌勇は、同大会では、準決勝戦までの4試合では無失点の好投。日本戦では第1、2ラウンドで計2セーブを記録していた。NPBでは、通算238試合に登板し、11勝13敗128セーブ21ホールド、231奪三振、防御率2.09の成績だった。