超一流選手なのに引き立て役? 記憶に残る「伝説の名場面」の相手役5選
2022/02/04
産経新聞社
斉藤和巳の語り継がれる名シーン 相手は稲葉篤紀ら日本ハムナイン
2006年10月12日 日本ハム対ソフトバンク 9回裏2死一、二塁
プレーオフ第2ステージ第2戦。伝説の名シーンとして語り継がれるのは、「負けないエース」斉藤和巳がサヨナラ打を浴び、マウンドに膝をついた場面。勝利したのは日本ハムだが、この瞬間の主役は、斉藤和巳だった。
日本ハムナインは、悲壮のエースの相手役となった。9回の2アウトまで得点を挙げることができなかったチームだが、難攻不落の斉藤に対し、たとえ追い込まれても粘って球数を投げさせ、攻略の機会をしぶとく待ち続けた。
9回裏、先頭の森本稀哲が四球を選ぶと、その後犠打などを挟んで2死一、二塁に。ついに好機が巡ってきた。ここで打席には稲葉篤紀が立った。ネクストバッターズサークルからは、SHINJO(新庄剛志)がプレッシャーをかける。そして1ボールからの2球目、稲葉の放った打球は二遊間深いところへと飛んだ。二塁手・仲澤忠厚が二塁フォースアウトを狙うも、判定はセーフ。二塁走者は森本が、この隙に一気にホームを陥れた。
この年の日本ハムは、打ってはチーム打率.269(リーグ2位)、135本塁打(同1位)、551打点(同2位)、投げてはチーム防御率3.05(同1位)と投打において本領を発揮。そして斉藤を攻略し、日本シリーズへ駒を進めると、中日ドラゴンズを4勝1敗で破って日本一に輝いたのだった。