【2014年タイトルホルダー 本塁打王編】 3年目で初タイトルのエルドレッド、途中入団史上初のタイトルに輝いたメヒア
2014年のペナントシリーズ全日程を終了し、各リーグのタイトルホルダーが確定した。それぞれの個人の成績を振り返ると記録の価値や、チームの状況にどう影響を及ぼしたのかまで見えてくる。本塁打王はカープの4番、ライオンズの主砲二人が獲得した。
2014/10/27
開幕に出遅れた中村、途中入団のメヒアがホームラン王
最後まで目が離せなかったパ・リーグの本塁打王争いは、メヒアと中村剛也が34本塁打でタイトルを分けた。
今シーズンの西武は中村が開幕に間に合わなかったこともあり、3、4月の月間本塁打は11本でリーグ最下位(1位は日本ハムの23本)。長打力不足を補うために補強されたのがメヒアだった。
中村の4月30日、メヒアは登録された5月15日の初打席と、ともに第1号は遅かった。10本塁打で4月の月間MVPのペーニャを追いかけることになったのだが、なかなか差は詰まらなかった。
本塁打王獲得の決め手になったのは8月の成績だ。7月を終えた時点でペーニャ22本、中村17本、メヒア16本。8月のペーニャは6本、3.83試合に1本のペースと前半戦の疲労が蓄積し、体調の管理も難しい時期だということを考えれば及第点と言える数字だ。それをメヒア、中村は上回った。月間11本塁打、中村は1試合欠場しているので数字は異なるが、約2.3試合に1本のペースで花火を打ち上げていたことになる。
本塁打王争いは8月を終えた時点でペーニャと中村が28本でトップに並び、メヒアが1本差の27本で2位につける大混戦となった。
9月に入ってからは10日に30本、17日に31本で3人がトップに並んだが、優勝を争うチームにあって一発狙いの打撃に絞りきれないペーニャのペースを落とし、メヒア、中村の西武勢が引っ張る展開となった。序盤、調子がよかったのはメヒア。5日に29本でトップの中村に並ぶと終始先行する展開で21日までに33本、中村、ペーニャに2本差をつけたが、以降、8試合一発が出なくなる。中村も31号が出てから9試合一発がなかったが、メヒアがもたついている間に26日、27日に2試合連発でトップに並んだ。
いよいよ争いは大詰めと思われたのだが、28日から5試合、中村が右腿の張りで欠場。この間、10月2日にメヒアが34号を放ちトップに立つ。西武の最終戦となる翌3日もスタメンに中村の名はなく、勝負は決したかに思われた。
しかし中村はあきらめていなかった。7回に代打で登場、初球を仕留め右中間に本塁打、最後の最後で並んだ。この試合でメヒアに一発は出ず、2リーグ制後初の同一チームからの本塁打王が誕生した。34本と本数的には物足りなさはあったが、ともにスタートが遅かったこともあり、本塁打率は11台とキングに相応しい高い数字を残した。
メヒアは初タイトル、途中入団での獲得は史上初となる。中村は5度目で、2リーグ制後では中西太、落合博満と並び、王貞治(15回)、野村克也(9回)に次ぎ、獲得回数は歴代3位タイとなった。