阪神8人目。「他球団育ち」金本知憲新監督はどこまでやるか?
今季限りで退任した和田豊監督の後任に、金本知憲氏が新監督に就任することが発表された。一貫してOBが担う巨人の監督とは対照的に過去、阪神は他球団OBが監督を務めたケースが多い。
2015/10/19
2003年、05年の優勝の土台を築いた野村監督
◆野村克也(1999~2001年)3期 411試合169勝238敗4分 勝率.415 3位以上0回(3年連続最下位)
南海ホークスの大捕手、そして南海、ヤクルトで優勝経験のある大監督。しかし「暗黒時代」と言われた阪神は浮上せず、3年連続の最下位に終わる。ただ野村の教えを受けた矢野輝弘、井川慶、福原忍、今岡誠らがその後、一流選手として開花。「野村監督は阪神の基礎固めをした」と評価が変わった。
◆星野仙一(2002~2003年)2期 280試合 153勝121敗6分 勝率.558 優勝1回 3位以上1回
中日のエース、監督だった。野村克也の推挙により後任監督として起用され、2年目にはリーグ優勝。金本知憲、伊良部秀輝、下柳剛らを補強。生え抜き選手の奮起もあり、沈滞ムードを吹き飛ばした。しかし体調面の問題があり2年で退任。
◆真弓明信(2009~2011年)3期 433試合 213勝207敗13分 勝率.507 3位以上1回
太平洋クラブライオンズ育ちだが、阪神に移籍してから一流選手になったので「他球団育ち」の印象は薄い。現役時代は「大型一番打者」として首位打者も獲得。金本知憲など主力選手の高齢化が進む中でよくチームをまとめ上げたが優勝できず、3年で退任した。
金本新監督は、広島で11年、阪神で10年の現役生活を送った。もはや「阪神の選手」という印象も強いが、生え抜きの人材難から起用されたという一面もある。
阪神は2リーグ分立後、5回優勝している。このうち3回は「他球団育ち」の監督によるもの。阪神という球団を客観的に見ることができることで、冷静な采配が振うことができるのかもしれない。しかし球史に残るトラブルも発生している。
巨人の監督も新しくなる。来季のセリーグはどのような勢力図になるのだろうか。