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「守備に関して言えば新庄の方が上」!? イチローと新庄剛志、データではわからない守備の違い【アンチデータベースボール】

2022/02/16

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産経新聞社



 テクノロジーが発達し、日々データ化が進む現代野球。一方で、人間がプレーしているからこそ、データだけではわからないプレーがあることも確かだ。データを超えた感動やドラマ、プレーのクオリティは、野球の醍醐味として外せないものである。
 

 
 ここでは、SNSで大人気の野球著述家ゴジキ氏(@godziki_55)が綴る、忘れかけている何かを思い出させてくれる一作『アンチデータベースボール データ至上主義を超えた未来の野球論』(2月22日発売)から本編の一部を公開する。
 
 データではわからない面白さや魅力はどこから来ているのか? データ至上主義のなかで対応策はあるのか? 感動やドラマ性とデータはトレードオフなのか?…などなど、尽きない疑問への「考えるヒント」が見つかるはずだ。

イチローと新庄、データではわからない守備の違い

 イチローと新庄剛志とともにプレーした経験を持つ本西厚博氏は、2人の守備について次のように答えている。
 
「守備に関して言えば新庄の方が上」
 
「(新庄は)打球判断、捕球、送球のすべてのレベルが違った。野村克也監督が投手を考えたほどの肩の強さもあった。足も速かった。もともと内野手だったためフットワークも良い。外野手に必要なすべてを持ち合わせていた」
 
「(新庄は)守備に自信があったのだろう。左中間、右中間、かなり広い範囲までカバーしてくれた。守備位置では『この辺までは自分が行きますね』と指示もしてくれる。コミュニケーション能力も高かったので、その後の日本ハム外野陣の柱になったのもよくわかる」
 
「(イチローは)新人時代から見てきたけど、最初はヒドかった」
 
「春季キャンプの時にイチローと田口の2人が『特守を一緒にさせてください』と来た。2人は身体能力に頼った効率の悪い捕球だったので、先にバテた。その後くらいから打球の追い方を熱心に研究するようになった。簡単にできることではないが、数年後には身につけた。やはりあの2人は一流だった」

「送球は『早く、強く、正確』の3つが大事で、新庄はすべてが揃っている。強肩だが状況によっては素早いモーションからバウンドで送球することもいとわない。イチローは『レーザービーム』と取り上げられた。魅せることも求められ、本人も遠くまで届く『レーザービーム』での送球を重視した。投げるまでのテイクバックが大きくなり、時間がかかるようになった。特にメジャーでのイチローはそういった部分での『早く』を重要視していなかった。もちろん、やろうと思えばできただろうけどね」
 
 このコメントを見る限りだと、新庄の外野守備はイチローよりも上で、外野手としての細かい動きからスローイングまで、ほぼ完成されていた状態に近いと見ている。
 
 確かにメインのポジションが異なるとはいえ、Baseball-Referenceの数値では……(続きは書籍で)

書籍情報


 
2月22日発売!
アンチデータベースボール データ至上主義を超えた未来の野球論
(著者:ゴジキ(@godziki_55)著/四六判/200頁/1600円+税)
 
[目次】
第1章 打撃・打順論
第2章 投手・継投論
第3章 守備・走塁論
第4章 采配・戦略・マネジメント論
第5章 「感性」「感覚」「直感」の重要さがわかる野球論
 
データにプレーを支配されるな! セイバーメトリクスの普及によって一層進むシステム化。それでも勝利の糸口は、別の世界にある! SNSで大人気の野球著述家が言語化 データ野球だけでは絶対に勝てない理由
 
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【著者紹介】ゴジキ(@godziki_55)
プロ野球選手にもフォローされるTwitterで話題の野球著述家。 2021年3月に『巨人軍解体新書』(光文社新書)で、鮮烈なデビューを飾る。さらに、8月には『東京五輪2020 「侍ジャパン」で振り返る奇跡の大会』(インプレスICE新書)、12月には『坂本勇人論』(インプレスICE新書)を出版した。自身の連載である「ゴジキの巨人軍解体新書」をはじめとした「REAL SPORTS」「THE DIGEST(Slugger)」 「本がすき。」「文春野球」等で、巨人や国際大会、高校野球の内容を中心に100本以上のコラムを執筆している。週刊プレイボーイやスポーツ報知などメディア取材多数。Yahoo!ニュース公式コメンテーターも担当。本書が4作目となる。



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