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【2022中日・戦力分析】若手外野手を育てられるかが上位進出のポイント

2022/03/03

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DELTA・竹下弘道



5.総括

 中日の補強ポイントは、二塁手・三塁手・外野3ポジション。いずれもマイナスを大きく計上する弱点となっている。現状の得失点差を踏まえると、この中から2つか3つは弱点から脱却させないとAクラス入りは厳しい。
 
 補強ポイントへの対応を見ると、外野手は新人のブライトと鵜飼、二軍で好成績を残した伊藤を用意している状況。一方で二塁手と三塁手にはドラフトでの即戦力指名がなく、二軍で好調の若手も少ないため、阿部と高橋の復調に期待するのが基本線となる。
 
 特に外野手は3ポジション全てが弱点ということを踏まえると、頭数がどれだけあっても足りないと言える。現状は「一軍半」の岡林勇希と根尾昂、今季から外野に挑戦するアリエル・マルティネスも合わせて、マイナスをどれだけ圧縮できるかがポイントとなるだろう。

 ポテンシャルのある若手も多い反面、まだ誰もレギュラー獲得の経験はない。中日の復権は、この中から他チームと張り合える外野手を生み出せるかにかかっている。立浪新監督の育成力が問われるシーズンとなりそうだ。
 
DELTA・竹下弘道
 
[1]寄与は「平均的な選手でそのポジションを埋める場合と比べて、得失点差に何点のプラス(マイナス)をもたらしたか」を表す。平均を基準とする理由は、得失点差が平均を基準とする数値だからだ。「全ポジションが平均的な選手で構成されたチーム」は得失点差が±0点となる。このチームに対して「各ポジションで得失点差を何点分上積みしたか」が分かれば、その合計からチームの得失点差を説明することができる。
[2]そのポジションで出場した全選手の合計成績であり、レギュラーの個人成績ではないことに注意。例えば、中日の右翼手は福留だが、右翼は福留の個人成績ではなく、福留を含めた中日の右翼手全員の成績である。
[3]厳密に言えば投手も打撃で得点を増やすことができるが、投球と比べて影響が小さいため、ここでは考慮しないものとした。
[4]「±0点のポジション」に「+20点の選手」を充てるのと、「-20点のポジション」に「±0点の選手」を充てるのは、どちらも20点の得失点差の改善が見込める。しかし、「+20点の選手」よりも「±0点の選手」の方が用意しやすく、年俸も低く抑えることができる。
[5]野手はwRAA+UZR+守備位置補正、投手はFIPのみで計算した。野手は一軍の規定打席(443打席)あたり、投手は一軍の規定投球回(143投球回)あたりの数値としている。
[6]データは竹下弘道・DELTA算出

 

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古典的ボックススコアから選手とチームの通史的な分析に取り組む。
 
DELTA@Deltagraphshttp://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~5』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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