ドラフトは運も実力のうち? 12球団一抽選に強いのはどのチームか
ドラフト会議では、やはり1位指名選手が重複した時の抽選ではないだろうか。各球団の代表が緊張の面持ちで壇上に上がり、封筒に入ったくじを引く。引き当てた人は、手を挙げて大喜びする。場内も大騒ぎとなる。
2015/10/23
抽選に強い、ロッテ
今年も高橋純平に中日・日本ハム・ソフトバンクの3球団が競合、平沢大河に楽天・ロッテ、高山俊に阪神・ヤクルトがそれぞれ指名が重なり抽選となった。
中でもヤクルトの真中新監督が、外れくじを当たりと勘違いするハプニングがあった。
ドラフトの目玉ともいうべきトップクラスの選手の所属球団が、くじ引きで決まる。野球史がたった一度のくじ引きで変わる。まさに運命のいたずらだ。
抽選は公平なものだから、各球団に差が出るはずはないのだが、実際には「抽選に強いチーム、弱いチーム」が出てきてしまっている。
ドラフト制度が現在のやり方に変わった2010年以降の抽選の「勝率」と、獲得した選手を見ていこう。外れ、外れ外れ1位抽選を含む。
1. ロッテ 5勝2敗(勝率.714)獲得選手:伊志嶺翔大、藤岡貴裕、松永昂大、石川歩、平沢大河
2. 西武 2勝1敗(勝率.667)獲得選手:大石達也、増田達至
3. 楽天 4勝3敗(勝率.571)獲得選手:塩見貴洋、森雄大、松井裕樹、安樂智大
4. 中日 2勝2敗(勝率.571)獲得選手:高橋周平、小笠原慎之介
5. 日本ハム 3勝4敗(勝率.429)獲得選手:斎藤佑樹、有原航平 入団拒否:菅野智之
6. ソフトバンク2勝3敗(勝率.400)獲得選手:東浜巨、高橋純平
7. 阪神 3勝5敗(勝率.375)獲得選手:藤浪晋太郎、岩貞祐太、高山俊
8. 巨人 1勝2敗(勝率.333)獲得選手:松本竜也
9. DeNA 2勝6敗(勝率.250)獲得選手:柿田裕太、山崎康晃
10. ヤクルト 2勝7敗(勝率.222)獲得選手:山田哲人、杉浦稔大
11. 広島 1勝4敗(勝率.200)獲得選手:大瀬良大地
12. オリックス 0勝6敗(勝率.000) 獲得選手:なし
ロッテが抽選に非常に強いことがわかる。先発・救援の柱に加えて、今年は高校屈指の内野手の獲得にも成功した。ちなみに競合で引き当てた選手は、いずれも今シーズン戦力としてCS進出に貢献している。
続いて西武、楽天までが勝ち越し。楽天は高卒の好投手を獲得している。今年は野手中心の指名になったのもこの系譜を見れば納得がいく。
6位までにパリーグのチームが5球団。しかし日本ハムは巨人との抽選の末、菅野智之との交渉権を獲得したものの入団拒否をされている。
セリーグは中日が5分であとは負け越し。いわゆるその年の目玉選手が抽選の結果、パリーグに流れている。こういったことも交流戦の成績に影響が出ている要因なのかもしれない。