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体格とは真逆の打撃スタイル。“剛”の山田、“柔”の柳田――日本シリーズの勝敗を左右する「トリプル3」【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は2人のトリプルスリーの打撃についてだ。

2015/10/24

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日本シリーズでのトリプル3の対決は1回のみ

ドラフトが終われば、NPBはいよいよ舞台は今季のクライマックス・日本シリーズへと移る。今年の顔合わせは福岡ソフトバンクホークス対東京ヤクルトスワローズ。初顔合わせだ。

 注目されるのが、二人の「トリプル3」の一騎打ち。ともに30本塁打、30盗塁、打率3割をクリアした柳田悠岐と山田哲人。二人の活躍が、勝敗を左右することだろう。

「トリプル3」は今年の2人を含めて10人しか達成していない。また日本シリーズでの一騎打ちは過去、1回しか実現していない。

 1950年、第1回日本シリーズ(当時は日本ワールドシリーズと言った)での毎日、別当薫、松竹、岩本義行の対戦だ。

 二人の日本シリーズでの戦いぶりを見てみよう。

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 毎日の別当は3番、松竹の岩本は4番に座る。別当は6試合とも安打を打ち、打率5割。本塁打は出なかったが、コンスタントに出塁し、4番、5番を打つ戸倉勝城、土井垣武にまわした。

 松竹の岩本のバットは3戦目まで湿っていたが、4戦目以降3試合で3本塁打と活躍。しかし他の打者が不振で孤軍奮闘の感があった。
 最高殊勲選手(MVP)は別当薫が受賞。

 この年はセ・パが分裂して1年目。分裂に際しては引き抜きが多発し、オールスターゲームも開かれないなど、両リーグは険悪な雰囲気に終始した。日本シリーズでの対抗意識も異様に高まり、試合の緊張感は現在と比べ物にならなかったという。

 このシリーズを観戦したニューヨーク・ヤンキースのジョー・ディマジオは「みんな、固くなりすぎている」とコメントした。

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