体格とは真逆の打撃スタイル。“剛”の山田、“柔”の柳田――日本シリーズの勝敗を左右する「トリプル3」【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は2人のトリプルスリーの打撃についてだ。
2015/10/24
打ち分ける柳田、引っ張る山田
こうしてみると当初のイメージとは裏腹に、柳田悠岐の「柔」、山田哲人の「剛」が際立ってくる。
それを裏付けるデータがある。今季の安打の方向性をまとめた。
くっきりと二人の違いが分かれた。
柳田はまさにスプレーヒッター、内野も含め、グランドにまんべんなく安打をちりばめている。左打者なので、当然ライトへの打球が一番多いが、センターにも55安打。やわらかく対応していることがわかる。
これに対し、右打者の山田はレフトに100安打。思い切り引っ張っていることがわかる。
山田は「どんな状況でもフルスイングできるようになった」ことで打撃開眼したと言われる。
日本シリーズの戦い方は、レギュラーシーズンとは異なるという。二人がシーズンと全く同じ打撃をするとは限らないが、ともに持ち味を発揮して活躍することだろう。