【2022西武・戦力分析】パのダークホース。投手と外野手を穴埋めできれば優勝争いも可能
2022/03/07
DELTA・竹下弘道
3.昨季時点での補強ポイントは?
ここまでの情報を踏まえて、西武の補強ポイントを明確にしたい。チームを強化するには、「弱いポジションを優先的にテコ入れする」のが編成の定跡だ[3]。ここまで各ポジションの状況を見てきたのはそのためだが、今回はもうひとつの要素として年齢に着目する。
統計的に野球選手は20代半ばをピークに成績が下がりはじめ、加齢が進むごとに衰えのペースも速くなっていく。つまり、ポジションの構成選手の年齢が他チームよりも高い場合、昨季と比べてそのポジションの寄与は悪化すると予想される。
そこで、各ポジションの得失点差への寄与と平均年齢を確認しよう(図4)。縦軸は寄与、横軸は「平均年齢がリーグ平均と比べて何歳高齢か」を示す。既にマイナスを出していて、高齢化により成績悪化も懸念される、右下に位置するポジションが補強ポイントとなる。
西武の補強ポイントはやはり投手と外野手だ。どちらも平均年齢は若いため成長による改善が見込めるものの、マイナスが大きすぎるため弱点からの脱却は難しい。ここは最優先で手を入れなければならない。
また、三塁手と指名打者の高齢化も気になるところだ。ただ、今季中に投手と外野手よりも深刻な状況となる可能性は低いため、こちらは来季以降の課題として棚上げしてもよいだろう。よって、投手と外野手をどれだけかき集められるかがポイントとなる。