【2022西武・戦力分析】パのダークホース。投手と外野手を穴埋めできれば優勝争いも可能
2022/03/07
DELTA・竹下弘道
5.総括
西武の補強ポイントは投手・外野手。合計で-160点という莫大なマイナスを出しており、これをどれだけ圧縮できるかで西武の順位は決まると言ってよい。
これらに対する動きを見ると、投手には隅田、佐藤、スミス、エンス、外野手には鈴木、高木、オグレディを用意している状況だ。使えるカードはおおむね使い切ったと言えるが、穴の大きさを考えるとこれでも万全とは言い難いのが辛いところである。
仮に投手と外野手を他チーム並み(±0点)の水準で埋められれば、得失点差は160点の改善が見込める。そうなれば今季中の優勝争いも十分可能だ。弱点の穴埋め次第で1位から6位までありうる西武は、パ・リーグのダークホースと言えるのではないだろうか。
DELTA・竹下弘道
[1] 寄与は「平均的な選手でそのポジションを埋める場合と比べて、得失点差に何点のプラス(マイナス)をもたらしたか」を表す。平均を基準とする理由は、得失点差が平均を基準とする数値だからだ。「全ポジションが平均的な選手で構成されたチーム」は得失点差が±0点となる。このチームに対して「各ポジションで得失点差を何点分上積みしたか」が分かれば、その合計からチームの得失点差を説明することができる。
[2] 厳密に言えば投手も打撃で得点を増やすことができるが、投球と比べて影響が小さいため、ここでは考慮しないものとした。
[3] これは、弱点を底上げする方が獲得機会・必要年俸の点でコストパフォーマンスが高いためである。「±0点のポジション」に「+20点の選手」を充てるのと、「-20点のポジション」に「±0点の選手」を充てるのは、どちらも20点の得失点差の改善が見込める。しかし、「+20点の選手」よりも「±0点の選手」の方が獲得しやすく、年俸も安く抑えられる。
[4] 野手はwRAA+UZR+守備位置補正、投手はFIPのみで計算した。野手は一軍の規定打席(443打席)あたり、投手は一軍の規定投球回(143投球回)あたりの数値としている。
[5] データは竹下弘道・DELTA算出
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2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~5』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。