落合博満氏「秋は体が一番技術を覚えてくれる」――かつてはイチローや松井稼頭央もウインターリーグを経験【横尾弘一の野球のミカタ】
日本シリーズを戦っている2球団以外は、すでに来季に向けて始動している。いくつかの球団は武者修行として、若手選手を海外のウインター・リーグへ派遣している。落合GMは、この2カ月の練習がとても重要だと指摘する。(2015年10月26日配信分、再掲載)
2015/10/26
ウインター・リーグでの経験が来季の飛躍へつながる
三冠王を3度獲得した落合の打撃は、誰よりもバットを振って作り上げたものである。だが、そのバットスイングを始める前には、決まったようにノックを受けていた。
「右打者がバットを振る際の回転運動というのは、三塁の守備位置でゴロを捕り、一塁へ送球する時の動きと共通する部分が多いでしょう。打撃練習を始める前の軽いノックというのは、バットを振るためのいい準備運動になるし、もちろん守備練習にもなる。そうやって、打撃、守備、走塁の3部門は密接な関係があることを踏まえ、一石二鳥の練習ができればいいんじゃないか」
そう言えば、1990年代中盤に実施されていたハワイ・ウインター・リーグは、イチローを筆頭に城島健司や松井稼頭央ら多くの選手たちの飛躍を促した。
そして、今年も中日は濱田達郎がドミニカ共和国へ渡り、オリックスでは吉田一将と山﨑福也がプエルトリコで投げ続けるという。また、台湾で開催されていたアジア・ウインター・リーグも再開されるようで、各球団が派遣選手を検討している。
その中から来シーズンのペナントレースを沸かせてくれるのは誰か。いずれにしても、若い選手にとっては、これからの2カ月間が本当の勝負なのである。
監督にとっての春季キャンプは最重要仕事――落合博満氏が語る、ペナント制する上で必要な「セカンド・チーム」の構築【横尾弘一の野球のミカタ】