【2022日本ハム・戦力分析】新庄ビッグボスの下で再建を目指す日本ハム。データ面から見た現状戦力は？

2022/03/11

DELTA Hiromichi Takeshita

産経新聞社、DELTA・竹下弘道

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５．総括

　日本ハムの補強ポイントは捕手・二遊間・両翼。他のポジションが変わらない前提だと、この5ポジションの内、2つか3つは穴埋めできないとAクラスは難しい。
 
　これらに対する動きを見ると、捕手には有効な手を打てていない一方、二遊間と両翼では一定の底上げが期待できそうだ。二遊間は水野とアルカンタラを獲得。両翼は有望株の万波と今川に加えて、ヌニエス獲得によって近藤を指名打者から押し出す措置が取られた。この二遊間と両翼でどれだけ弱点を解消できるかがポイントとなるだろう。

　手を付けなければならないポジションは山積しており、チームはさながら再建期の様相を呈している。選手数が多いためにテコ入れの難しかったポジションもあり、今後の底上げのためには一層シビアな選手選定も求められる。新庄剛志ビッグボスが「選手の才能を見極める年」と明言する今季、チームの再建に筋道を付けられるかに注目したい。
 
DELTAアナリスト・竹下弘道
 
[1] 寄与は「平均的な選手でそのポジションを埋める場合と比べて、得失点差に何点のプラス(マイナス)をもたらしたか」を表す。平均を基準とする理由は、得失点差が平均を基準とする数値だからだ。「全ポジションが平均的な選手で構成されたチーム」は得失点差が±0点となる。このチームに対して「各ポジションで得失点差を何点分上積みしたか」が分かれば、その合計からチームの得失点差を説明することができる。
[2] 厳密に言えば投手も打撃で得点を増やすことができるが、投球と比べて影響が小さいため、ここでは考慮しないものとした。
[3] これは、弱点を底上げする方が獲得機会・必要年俸の点でコストパフォーマンスが高いためである。「±0点のポジション」に「+20点の選手」を充てるのと、「-20点のポジション」に「±0点の選手」を充てるのは、どちらも20点の得失点差の改善が見込める。しかし、「+20点の選手」よりも「±0点の選手」の方が獲得しやすく、年俸も安く抑えられる。
[4] 野手はwRAA+UZR+守備位置補正、投手はFIPのみで計算した。野手は一軍の規定打席（443打席）あたり、投手は一軍の規定投球回（143投球回）あたりの数値としている。
[5] データは竹下弘道・DELTA算出