大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



変わりつつある「4番打者」の役割。長距離打者の適正打順とは【アンチデータベースボール】

2022/03/24

text By



下位打線に外国人打者は脅威

 先に少し触れたが荒削りな長距離打者を6番、7番に置くのか置かないのかも重要だ。
 
 以前は比較的5番として起用されることが多かったタイプだが、現代野球では違う傾向にある。
 
 具体的な例を挙げると、2008年と2019年の西武ライオンズがわかりやすい。中村剛也は、全盛期こそ4番に座っていたものの、当初は6番打者だった。
 
 この意図は、2つ汲み取ることができる。ゆくゆくは長距離砲の4番打者として成長させるためと、下位打線で振り回して威圧するためだ。この方法論は、多くの球団が行っているのではないだろうか。
 
 同じく西武の山川穂高もだ。ブレイクする前は、下位打線で振り回す役割を担い、2018年に47本塁打を記録してホームラン王を獲得した。
 
 2019年もタイトルを獲得したが、不調に陥り夏場からは下位打線に置かれた。その時に4番に座ったのが、中村だった。これも、中村と山川を離すことによって、打順のバランスが保てたのだろう。山川自身も、この不調によりチャンスで軽打するなど相乗効果も生まれた。

 6番や7番に荒削りな打者を置くことにより、長距離砲の育成や不調時の調整にもなるのだ。下位打線に荒削りな打者を置くのは、その他の理論もある。
 
 荒削りな選手を置くことにより、接戦試合に意外性がある一発で試合を動かすこともある。そのため、近年では4番打者の他に6番または7番に外国人選手を置くことも多く見られる。……(続きは書籍で)
 

書籍情報


 
2月22日発売!
アンチデータベースボール データ至上主義を超えた未来の野球論
(著者:ゴジキ(@godziki_55)著/四六判/200頁/1600円+税)
 
[目次】
第1章 打撃・打順論
第2章 投手・継投論
第3章 守備・走塁論
第4章 采配・戦略・マネジメント論
第5章 「感性」「感覚」「直感」の重要さがわかる野球論
 
データにプレーを支配されるな! セイバーメトリクスの普及によって一層進むシステム化。それでも勝利の糸口は、別の世界にある! SNSで大人気の野球著述家が言語化 データ野球だけでは絶対に勝てない理由
 
アマゾンなどで好評発売中です!↓

 
【著者紹介】ゴジキ(@godziki_55)
プロ野球選手にもフォローされるTwitterで話題の野球著述家。 2021年3月に『巨人軍解体新書』(光文社新書)で、鮮烈なデビューを飾る。さらに、8月には『東京五輪2020 「侍ジャパン」で振り返る奇跡の大会』(インプレスICE新書)、12月には『坂本勇人論』(インプレスICE新書)を出版した。自身の連載である「ゴジキの巨人軍解体新書」をはじめとした「REAL SPORTS」「THE DIGEST(Slugger)」 「本がすき。」「文春野球」等で、巨人や国際大会、高校野球の内容を中心に100本以上のコラムを執筆している。週刊プレイボーイやスポーツ報知などメディア取材多数。Yahoo!ニュース公式コメンテーターも担当。本書が4作目となる。

1 2


error: Content is protected !!