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機動力野球を掲げるチームはなぜ勝てないのか。WBCが生んだ“誤解”が原因?【アンチデータベースボール】

2022/03/14

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WBCのイメージが誤解を生んだ?

 機動力だけをベースにしても勝ち続けるのは困難で、打力が伴わない限り勝ち星を積み上げるのは容易ではない。
 
 高校野球でも一時期、健大高崎が機動破壊と称して機動力野球をチームの骨格に据えていたが、一定以上のレイヤーには行けなかった。
 
「完膚なきまでにやられました。5点くらい差をつけられると、打力がなければ跳ねのけるのは厳しい。接戦にならないと機動破壊は無意味なんです」(青柳博文前監督)とコメントを残したのが象徴的で、今や打撃のチームに一新したぐらいだ。
 
 機動力野球を信仰する傾向は、第1回WBCの影響が大きいと見ている。
 
 この大会は確かに盗塁数はダントツで多かった。加えて、打率や本塁打数も参加国で1位だった。そういう意味では実にバランスが取れており、東京五輪と同様に「トータルベースボール」だっただろう。

 ペナントレースを見ていても、強いチームは基盤となる総合力があるから機動力などの細かい野球が活きてくるのだ。
 
 先に取り上げた代走のスペシャリストに関しても終盤に出てくるからこそ、「特効薬」のような形で効き目が出てくる。
 
 彼らの機動力で勝ち取った試合は確かにあるが、それでも私の「機動力は戦略のメインではなく、オプションである」という考え方は変わらない。……(続きは書籍で)
 

書籍情報


 
2月22日発売!
アンチデータベースボール データ至上主義を超えた未来の野球論
(著者:ゴジキ(@godziki_55)著/四六判/200頁/1600円+税)
 
[目次】
第1章 打撃・打順論
第2章 投手・継投論
第3章 守備・走塁論
第4章 采配・戦略・マネジメント論
第5章 「感性」「感覚」「直感」の重要さがわかる野球論
 
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【著者紹介】ゴジキ(@godziki_55)
プロ野球選手にもフォローされるTwitterで話題の野球著述家。 2021年3月に『巨人軍解体新書』(光文社新書)で、鮮烈なデビューを飾る。さらに、8月には『東京五輪2020 「侍ジャパン」で振り返る奇跡の大会』(インプレスICE新書)、12月には『坂本勇人論』(インプレスICE新書)を出版した。自身の連載である「ゴジキの巨人軍解体新書」をはじめとした「REAL SPORTS」「THE DIGEST(Slugger)」 「本がすき。」「文春野球」等で、巨人や国際大会、高校野球の内容を中心に100本以上のコラムを執筆している。週刊プレイボーイやスポーツ報知などメディア取材多数。Yahoo!ニュース公式コメンテーターも担当。本書が4作目となる。

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