カギは速い変化球!? 佐々木朗希のピッチングから見たトレンド【アンチデータベースボール】
2022/03/12
3年目、レベルアップして大化けの予感
近年、注目を浴びている若手投手の奥川恭伸や佐々木朗希が、2年目で一気に飛躍した要因は、高校時代にはなかったスラッターやスプリットを駆使し始めたことも大きい。
奥川の場合は、緩い変化球しかないことが懸念材料だったが、カットボールやフォークをうまく使いながら高校時代の前評判どおり、クレバーなピッチングスタイルを確立していき、クライマックスシリーズで見せた「マダックス」をさらに再現性高くしていくだろう。
佐々木は、元々の素材を見ると、水準レベルの投球術やスラットなどの速い球種を、いつでも投げられるレベルにまで取得すれば、さらに伸びて球界トップクラスになっていき、MLBでもトップクラスになれる器の投手である。
実際の成績を見ても、2021年のシーズンで8月以降は、防御率1.22、奪三振率10.70と飛躍的に成績が向上した。
さらに、平均球速が151㎞/hから154㎞/hに上昇し、球威・制球とも申し分ない域にまで達した。
また、変化球の被打率も0割台と、球界トップクラスのポテンシャルと言っていい。
この若手の2人を見ても、速い変化球が本格派から技巧派までトレンドから王道になってきていることがわかる。令和の野球を勝ち抜くには、勝てるピッチングの組み立てと、速い変化球を駆使したデータに勝るピッチングスタイルを確立していくことがポイントである。……(続きは書籍で)
書籍情報
2月22日発売!
『アンチデータベースボール データ至上主義を超えた未来の野球論』
(著者:ゴジキ(@godziki_55)著/四六判/200頁/1600円+税)
[目次】
第1章 打撃・打順論
第2章 投手・継投論
第3章 守備・走塁論
第4章 采配・戦略・マネジメント論
第5章 「感性」「感覚」「直感」の重要さがわかる野球論
データにプレーを支配されるな! セイバーメトリクスの普及によって一層進むシステム化。それでも勝利の糸口は、別の世界にある! SNSで大人気の野球著述家が言語化 データ野球だけでは絶対に勝てない理由
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【著者紹介】ゴジキ(@godziki_55)
プロ野球選手にもフォローされるTwitterで話題の野球著述家。 2021年3月に『巨人軍解体新書』(光文社新書)で、鮮烈なデビューを飾る。さらに、8月には『東京五輪2020 「侍ジャパン」で振り返る奇跡の大会』(インプレスICE新書)、12月には『坂本勇人論』(インプレスICE新書)を出版した。自身の連載である「ゴジキの巨人軍解体新書」をはじめとした「REAL SPORTS」「THE DIGEST(Slugger)」 「本がすき。」「文春野球」等で、巨人や国際大会、高校野球の内容を中心に100本以上のコラムを執筆している。週刊プレイボーイやスポーツ報知などメディア取材多数。Yahoo!ニュース公式コメンテーターも担当。本書が4作目となる。