【2022ソフトバンク・戦力分析】二塁手と中堅手のレギュラー不在が課題も、一定の対策は打てた
2022/03/17
DELTA・竹下弘道
福岡ソフトバンクホークス 得失点差で見る戦力分析【2022シーズン】
オープン戦も終盤に近づき、2022年シーズン開幕が目前に迫っている。今季の各チームはどのような陣容で開幕を迎えるだろうか。本シリーズは「戦力分析」と題して、昨季の状況を振り返り、オフシーズンの動向を確認することで今季のポイントを考えていく。今回の対象チームは福岡ソフトバンクホークスだ。
1.優勝とAクラス入りにはどれだけの底上げが必要か?
昨季のソフトバンクは「優勝」と「Aクラス」からどのくらいの距離にあっただろうか。まずはこれを確認するため、昨季のパ・リーグ順位表(図1)を見てみよう。
ここでは得失点差(得点から失点を引いた数値)に着目する。得失点差はチームの勝敗と連動する性質があり、「得失点差の1/5」は「貯金」におおむね一致する。この性質を利用すると、得失点を何点改善すれば優勝とAクラス入りできるかを割り出せる。
昨季のソフトバンクの得失点差は「+71点」だった。ここからは貯金14が予想されるが、実際はこれを大幅に下回る借金2となったことで4位に沈んでいる。
これは今季のソフトバンクにとってポジティブな要素となる。なぜなら、ソフトバンクのように得失点差と貯金が乖離したチームは、翌シーズンになると乖離が解消される傾向があるからだ。ソフトバンクは昨季と同じ得失点差を記録できれば、貯金は14まで増えると予想される。これは昨季優勝したオリックスとほぼ同じ貯金だ。
一般的な目安として、Aクラス入りには得失点差±0点(貯金0)、優勝には得失点差+100点(貯金20)が求められる。つまり、ソフトバンクは現状維持でもAクラスは狙える一方、優勝するためには29点、得点を増やすか失点を減らさなければならない。首位に返り咲くために必要な底上げはそこまで大きくないと言える。