4番打者はヌニエス推し! 新生ファイターズのニューヒーローとして高まる期待感【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#169】
いよいよ開幕まで1週間を切ったが、新生ファイターズの打順もポジションもいまだ見えてこない。まさに新庄ビックボスが話していた通り横一線の争いだ。当然4番打者も複数候補いるが、今シーズンから加入したヌニエスを推したい。
2022/03/20
産経新聞社
惚れ惚れするヌニエスの打撃。どのポジションを守る?
じゃ、4番は誰が打つのか? 球団は野村佑希を4番に育てたいのだと思うが、まだ実績と呼べるものがない。昨シーズンは4番を務めることが多かったけれど、それにふさわしい数字が残せたかといえば到底足りない。ただそれだけの大器ということだ。野村を見ていると僕は田中幸雄の若い頃を思い出す。2軍で初めて見たとき、あぁ、これは将来チームの中心選手になるなぁと納得した、あの感じである。
しかし、このキャンプ、オープン戦を見たファンの「万波4番論」も高まっている。あの活躍を見せられてワクワクしないほうがどうかしている。本当にポテンシャルが高い。そして新庄イズムにぴったりフィットする明るさ、スター性がある。
一歩遅れを取っているのが清宮幸太郎だ。本来の期待感ならファイターズの新4番は清宮一択だっただろう。春先の様子をウォッチしているが、まだ一皮むけるには至っていない。だけど、選手が何かをつかまえるときは一瞬なのだ。たった一日で変化する。それには試合に出ている必要がある。以前から言ってるが清宮は今年「大卒ルーキー」の年だ。ついに和製大砲が火を噴くシーズンかもしれない。
が、それらを勘案しても尚、僕はヌニエス4番を推したい。オープン戦を見ていて惚れ惚れした。安定感がある。どっしり構えて何でもいらっしゃいという待ち方。変化球にもバットが止まる。間もあるし、バットコントロールのセンスがある。いいバッターを獲ったなぁ。近藤と並べると効果ありそうだ。最高にいい形なのは上記の3人のうち、誰かが4番を打ち、ヌニエスが5番におさまる(相手投手は神経をつかうだろう)ことだが、現状ではヌニエスがいいと思う。若手は「4番の仕事」に縛られるより、トップバッターとか、6番あたりで積極性を発揮してもらいたいのだ。
ヌニエスは数字が残せる打者だと思う。15日西武戦7回のようにまっすぐ待ちで、ナックルカーブをホームランできる懐の深さがある。アルカンタラはムラがありそうだが、逆方向にいいヒットを打った。Bクラスの常連だったかつてのファイターズなら当たり前のように3番アルカンタラ、4番ヌニエスで行くところだ。まぁ、「外人の当たりはずれ」でチーム成績が左右されるのはいかにもBクラスという感じだが、去年のヤクルトのように外国人が2人当たりだとやっぱり厚みが出る。
守備位置の問題も面白いなぁ。報道では「ショート・ヌニエス」「セカンド・アルカンタラ」の守備練習も試みたというが、2人がどこにおさまるかは他の選手にとって死活問題だ。ヌニエスが来たらどのポジションも明け渡さざるを得ない気がする。アルカンタラはまだ試合に出始めて間がないから読めないところがある。内野のポジションは4つしかないから2人が定着したら大変だ。
まぁ、だけど「ヌニエス推し」。本稿をひと言に要約するとそこに尽きる。ファイターズの新しい顔になり得る選手だと思う。果たして開幕戦のオーダーではどの打順におさまるだろう。