【2022広島・戦力分析】投手・一塁手・三塁手の底上げが課題。林と坂倉はコンバートの積極的検討を
2022/03/18
産経新聞社、DELTA・竹下弘道
3.昨季時点での補強ポイントは?
ここまでの情報を踏まえて、広島の補強ポイントを明確にしたい。チームを強化するには、「弱いポジションを優先的にテコ入れする」のが編成の定跡だ[3]。ここまで各ポジションの状況を見てきたのはそのためだが、今回はもうひとつの要素として年齢に着目する。
統計的に野球選手は20代半ばをピークに成績が下がりはじめ、加齢が進むごとに衰えのペースも速くなっていく。つまり、ポジションの構成選手の年齢が他チームよりも高い場合、昨季と比べてそのポジションの寄与は悪化すると予想される。
そこで、各ポジションの得失点差への寄与と平均年齢を確認しよう(図4)。縦軸は寄与、横軸は「平均年齢がリーグ平均と比べて何歳高齢か」を示す。既にマイナスを出していて、高齢化により成績悪化も懸念される、右下に位置するポジションが補強ポイントとなる。
右下のゾーンに入っているポジションはないが、投手・一塁手・三塁手はマイナスを大きく計上している。ここは平均年齢が若いため一定の改善が期待できるが、マイナスが大きいためそれだけでは弱点からの脱却は困難だ。これらが補強ポイントとなるだろう。
なお、坂倉は一塁、林は三塁守備によるマイナスが大きいため、出場ポジションが適性に合っていない可能性もある。オープン戦では2人のポジションの入れ替えも検討されているが、これは得失点差を伸ばすためには合理的な動きと言えるだろう。ただ、コンバートが上手くいかない可能性も当然ある。マイナス圧縮に向けては選手確保も並行して進めたい。
また、右翼手からは鈴木が抜けた。鈴木の出場した分を埋め合わせようと考えるなら、外野手レギュラーを丸々1人用意しなければならない。以上を踏まえると、補強ポイントは投手・一塁手・三塁手・右翼手となる。