【2022楽天・戦力分析】戦力整備と高齢化が同時進行。衰退期を迎える前に優勝できるか
2022/03/19
DELTA・竹下弘道
3.昨季時点での補強ポイントは?
ここまでの情報を踏まえて、楽天の補強ポイントを明確にしたい。チームを強化するには、「弱いポジションを優先的にテコ入れする」のが編成の定跡だ[3]。ここまで各ポジションの状況を見てきたのはそのためだが、今回はもうひとつの要素として年齢に着目する。
統計的に野球選手は20代半ばをピークに成績が下がりはじめ、加齢が進むごとに衰えのペースも速くなっていく。つまり、ポジションの構成選手の年齢が他チームよりも高い場合、昨季と比べてそのポジションの寄与は悪化すると予想される。
そこで、各ポジションの得失点差への寄与と平均年齢を確認しよう(図4)。縦軸は寄与、横軸は「平均年齢がリーグ平均と比べて何歳高齢か」を示す。既にマイナスを出していて、高齢化により成績悪化も懸念される、右下に位置するポジションが補強ポイントとなる。
右下のゾーンに位置するのが捕手と右翼手だ。昨季のマイナスが大きく、平均年齢も若くないため今後の改善も期待できない。まずはここが補強ポイントの候補となるだろう。
次に、指名打者は平均年齢が若いもののマイナスが大きい。もちろん野手の休養枠として活用するのも重要だが、指名打者での起用を前提とした打撃型の選手も常駐させたい。よって楽天の補強ポイントは捕手・右翼手・指名打者となる。