巨人・高橋由伸新監督が始動。「代打・阿部慎之助」を実現できるチームへ
原辰徳監督の後任に、今季は代打の切り札として活躍した高橋由伸選手が就任した。一気に首脳陣が若返ったジャイアンツ。再生に向けて、今何が求められているのか。
2015/10/29
ミスター1年目と状況重なる
背番号24のユニフォームではなく、スーツ姿の高橋由伸。
28日、ジャイアンツ球場で行われた秋季練習で巨人新体制がスタートを切った。
平日午前にもかかわらずスタンドには多くのファンが集結。
その大きな声援を背中に受けながら、グラウンド上では1・2軍の選手たちを見守る新監督。
同じくスーツ姿の二岡2軍打撃コーチや、今季限りで引退した井端内野守備走塁コーチと談笑する姿も見られた。
巨人ではあの長嶋茂雄以来の引退即監督就任。
V9で途切れた74年秋に川上監督からチームを引き継ぎ39歳で監督になった若き日のミスター。
V4を逃した15年秋に原監督から後を託された40歳の青年監督ヨシノブ。
名将が去り、チームは世代交代真っ只中という面でも41年前と今の巨人は非常に似ている。
長嶋監督1年目の75年は開幕直後の4月12日にリーグ6位に沈むと、そのまま球団初の最下位で閉幕。
シーズン中にファンが集い「長嶋巨人を励ます緊急大集会」が開催される異常事態。
頼みの4番王貞治は開幕から怪我と不調に喘ぎ、なによりも「三塁手長嶋茂雄」の不在に泣かされた。
勝負どころで「代打オレ」ができないジレンマ。
2015年、歴史的貧打に苦しんだ巨人においても「代打・高橋由伸」は貴重な戦力だった。
今季の代打成績は47試合で38打数15安打の打率.395、9打点。なんと出塁率は.489。
阪神とのCSファーストステージ第1戦でも、最後に試合を決めたのは背番号24。
延長10回、押し出し四球を選びサヨナラ勝ち。ポストシーズンで巨人の40代勝利打点は球団初の快挙である。