ポストシーズンで存在感を出す千賀 山口、西野ら逆境から1軍の座を勝ち取る育成選手
今季は主に2軍だったソフトバンクの千賀が、クライマックスシリーズ・日本シリーズと存在感を発揮している。育成契約から、また一人スター候補が誕生した。
2015/10/29
1軍に戦力として送り込むソフトバンク
各球団ごとに育成ドラフトで入団した育成選手の人数と、その中で1軍の試合に出場した選手を挙げてみる(他球団に移籍して1軍の試合に出た選手や引退、戦力外選手含む、29日時点で12球団に所属している選手のみ表記)。
◆パリーグ
・ソフトバンク 育成選手42人
【1軍試合出場:10人 小斉祐輔、山田大樹、二保旭、猪本健太郎、千賀滉大、牧原大成、亀沢恭平(中日)、飯田優也、拓也】
・日本ハム 育成選手0人
・ロッテ 育成選手20人
【1軍試合出場:5人 西野勇士、岡田幸文、山室公志郎、黒沢翔太、肘井竜蔵】
・西武 育成選手3人 1軍試合出場:なし
・オリックス 育成選手6人
【1軍試合出場:2人 梶本達哉、西川拓喜】
・楽天 育成選手14人
【1軍試合出場:3人 中村真人、内村賢介(DeNA)、宮川将】
◆セリーグ
・ヤクルト 育成選手11人
【1軍試合出場:3人 フェルナンデス、徳山武陽、金伏ウーゴ】
・巨人 育成選手49人
【1軍試合出場:5人 山口鉄也、松本哲也、隠善智也、山本和作、丸毛謙一】
・阪神 育成選手10人
【1軍試合出場:3人 野原祐也、田上健一、島本浩也】
・広島 育成選手16人
【1軍試合出場:2人 中谷翼、池ノ内亮介】
・中日 育成選手17人
【1軍試合出場:2人 矢地健人、赤田龍一郎】
・DeNA(横浜) 育成選手12人
【1軍試合出場:6人 関口雄大、国吉佑樹、冨田康祐、西森将司、砂田毅樹、萬谷康平】
日本ハムは球団の方針として育成ドラフトには参加していない。
1軍に出場したのは40人。その中には1~2試合で終わった選手もおり、非常に厳しい世界だ。
その一方で、ロッテの頼れるクローザー西野勇士、同じく守備の名手岡田幸文、セリーグ屈指のセットアッパーに成長した山口鉄也、今季中日の内野の一角を占める亀沢恭平のように、レギュラー級として活躍する選手もいる。
また3軍を創設し、育成に力を注ぐソフトバンクは、千賀以外にも山田、二保、猪本、牧原、飯田ら2軍で実績をつくり、1軍を経験した選手が多く集まっている。
育成選手は1年目で引き上げられることはほとんどない。しかし契約年限は3年だから(再契約はあるにしても)、その間に頭角を現さなければならない。時間はあまりないのだ。
三ケタの重たい背番号を背負い、240万円という安い年俸に甘んじる。
育成選手はその逆境に耐えて、狭き門を通ろうとするのだ。
今季の育成ドラフトでは、史上最多の28人が育成選手として入団した。これで育成選手は通算200人になった。この中から誰がスター選手の座を勝ち取るのだろうか。