山田の読みの裏をかいた攝津・細川のバッテリー。2つの見逃し三振がシリーズの分かれ目【野口寿浩の眼】
日本シリーズは、ソフトバンクがヤクルトを4勝1敗で下し、2年連続の日本一に輝いた。ヤフオクドームでの第1戦、第2戦は武田翔太、バンデンハーグの両投手が好投し、ソフトバンクが連勝。神宮球場に場所を移して行われた第3戦は、山田哲人が日本シリーズ初の1試合3本塁打でヤクルトが勝利。しかし、第4戦、第5戦は李大浩らの活躍でソフトバンクが連勝した。勝負の分かれ目はどこにあったのか。解説者の野口寿浩氏に聞いた。
2015/10/30
見逃せないソフトバンクの伏兵の活躍
そして、今回のシリーズを見て感じたことはソフトバンクの圧倒的な選手層です。シーズンで4番を任されていた内川聖一がケガにより出場できず、柳田悠岐も打率.158と完全に抑え込まれました。たしかに、MVPを獲得した李大浩の活躍は特筆ですが、福田秀平や明石健志、今宮健太らの伏兵たちの活躍も見逃せません。
福田に関しては、もし内川が欠場していなかったらスタメンで出なかった選手です。そういった選手が普通に活躍するあたり、ソフトバンクの選手層の厚さを感じました。その点、ヤクルトはレギュラー陣と控え選手との間に戦力差があったような気がします。
あと、ヤクルトの選手たちはソフトバンクに対して、意識しすぎていたといいますか、慎重になりすぎていたように映りました。特に投手陣は、甘い球は投げられないと厳しいコースを突こうとするけど、きわどい球をことごとく見極められた。もっと大胆に攻めてもよかったように思いました。
とはいえ、昨年まで2年連続最下位のチームがここまで来たことは立派ですし、なにより今回の戦いを経験したことで新たな目標ができた。ともにリーグ優勝を果たしたチーム同士の戦いだけあって、じつに見応えのあるシリーズでした。