【2022ヤクルト・戦力分析】本拠地を考慮すると投手力は既にNo.1。さらに投手を強化し連覇を狙う
2022/03/23
DELTA・竹下弘道
3.昨季時点での補強ポイントは?
ここまでの情報を踏まえて、ヤクルトの補強ポイントを明確にしたい。チームを強化するには、「弱いポジションを優先的にテコ入れする」のが編成の定跡だ[5]。ここまで各ポジションの状況を見てきたのはそのためだが、今回はもうひとつの要素として年齢に着目する。
統計的に野球選手は20代半ばをピークに成績が下がりはじめ、加齢が進むごとに衰えのペースも速くなっていく。つまり、ポジションの構成選手の年齢が他チームよりも高い場合、昨季と比べてそのポジションの寄与は悪化すると予想される。
そこで、各ポジションの得失点差への寄与と平均年齢を確認しよう(図4)。縦軸は寄与、横軸は「平均年齢がリーグ平均と比べて何歳高齢か」を示す。既にマイナスを出していて、高齢化により成績悪化も懸念される、右下に位置するポジションが補強ポイントとなる。
右下のゾーンに位置するポジションはない。一方で青木宣親が高齢となっている左翼手、マイナスが最も大きい右翼手が相対的に右下に位置している。ここは弱点となる可能性が比較的高いため、ケアしておきたいポジションだ。
右翼手はサンタナが欠場を減らせばマイナスを削れるが、控えを手厚くして欠場時にも対応できるようにしておけると好ましい。これは青木が成績を落としてきてしまっている左翼手にも同じことが言える。よって補強ポイントは左翼手・右翼手となる。