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【2022ヤクルト・戦力分析】本拠地を考慮すると投手力は既にNo.1。さらに投手を強化し連覇を狙う

2022/03/23

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DELTA・竹下弘道



4.今季の選手供給の見込みは?

 ここまでに論じた補強ポイントを踏まえて、ヤクルトが新しい選手をどれだけ用意できるかを見ていきたい。一軍に選手を供給する手段は、①二軍から選手を引き上げる、②ドラフトで獲得する、③国内外の他チームから獲得する、の3つだけだ。それぞれの手段について、どのような選手供給が見込まれるかを見ていこう。
 
 まずは二軍だ。二軍において得失点差への寄与が優れる選手は、一軍でも得失点差を改善する見込みが強いと言える。ここでは2021年の二軍において、各選手が得失点差に何点分の寄与をもたらしたかを調べた[6](図5)。グラフは縦軸が得失点差への寄与、横軸が年齢を表しており、優秀でなおかつ若い左上の選手は将来的な一軍定着を期待しやすい。
 

 
 両翼で好成績を残しているのが21歳の赤羽由紘だ。赤羽は内外野守れるユーティリティで、左翼では標準以上の守備指標UZRをマークしている。打撃はフライヒッターで長打力を強みとする一方、コンタクトがやや悪く打率が低いのが課題である。まだ育成契約であるため、まずは支配下契約を勝ち取りたいところだ。
 
 また、怪我による欠場が多かったため図には記載していないが、21歳の濱田太貴も特筆すべき外野手だ。新人時代から長打力で高いポテンシャルを見せており、2020年には一軍で3本塁打を記録している。両翼のレギュラー候補では最初に名前が挙がる選手だ[7]。

 次はドラフトを見ていこう(図6)。育成契約の選手が1年目から戦力になるケースは稀なので、支配下契約の選手のみを見ていきたい。
 

 
 1位の山下輝、3位の柴田大地と即戦力投手の上位指名が目立つ。全体の傾向としては、投手陣の短期的な底上げを狙ったドラフトとなった。
 
 また、2位で即戦力外野手の丸山和郁を獲得している。丸山は中堅タイプの外野手なので、直接的な両翼の底上げには繋がらないかもしれない。ただ、中堅手に定着できれば、UZRがマイナスとなっている塩見を押し出すかたちで両翼を底上げできる可能性がある。
 
 最後に補強を確認する(図7)。こちらも育成契約の選手が1年目から戦力になるケースは稀なので、支配下契約の選手だけを見ていく。
 

 
 補強では投手のアンドリュー・スアレス、A.J.コールを獲得している。投手のアルバート・スアレスとリック・バンデンハークが退団したため、後継を補充したかたちとなった。
 
 一方で外国人野手の獲得はなかった。ヤクルトは一塁手もマイナスとなっているため、保険として一塁/両翼型選手の獲得を検討してもよかったかもしれない。現在の外国人野手はサンタナとオスナだけなので、どちらかが離脱すると野手1枠:投手4枠で外国人枠を回さなければならなくなる。これは現在のチーム状況とややアンマッチに見える。

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