FA権行使は?今江、松田、畠山、藤井ら今季は野手の動向に注目【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回はFA選手についてだ。
2015/11/01
今季打点王の畠山はFA宣言するか!?
次にセリーグを見ていこう。
巨人は近年では阪神に移籍した鶴岡や、中日の小笠原の事例がある。
優勝チームのヤクルトは、館山昌平が早々にFA権を行使せず残留を決めた。田中浩康も残留の方向。しかし打点王の畠山和洋は権利を行使を検討しているという(11月2日追記:その後、畠山は残留を宣言)。
阪神は西岡剛が早々にFA権行使せず残留を表明。
広島はベテラン捕手の倉は2軍バッテリーコーチを兼任する。赤松、小窪も行使せずに残留する。
一方で中日の藤井淳志はFA行使が確実視されている。
MLBではFAでの移籍は選手の当然の権利であり、有力選手は複数年契約で巨額の年俸を手にすることができるので、積極的に権利を行使する。日本に比べるとドライな感じだ。
しかしNPBでは育ててもらったチームへの恩義から、なかなかFA宣言に踏み切れない場合も多い。また中日の藤井のように「球団から引き留められなかった」ことに不快感を抱く選手もいるようだ。どうしてもウェットな印象がある。
これは日米の労働環境の違いを反映しているようだ。
今季のFA権行使の期限は、11月10日まで。どんなドラマが起こるだろうか。
※当初掲載した記事に一部内容に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。