田中・ダル・岩隈に匹敵。前田健太がもしMLBに移籍したら初年度は何勝する?【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は前田健太がもしMLBに移籍した場合を想定した成績を考えてみる。
2015/11/03
ポスティングシステムでの移籍を広島が認めるかは不透明
ストーブリーグは始まったばかりだが、今オフの注目は前田健太がポスティングシステムを利用してMLBに挑戦するか。当然、カープが承諾をしなければ始まらない。
前田は1988年生まれ。田中将大と同い年だ。今季は2度目の沢村賞にも輝き、「日本のエース」と言ってもよい。
2013年にはMLB挑戦の意思があることを表明した。2006年入団で、海外FA権を取得するのは2017年になるが、ポスティングシステムを申請し入札球団があれば移籍することが可能だ。
何度か変更になったが、現システムではポスティングシステムでの移籍を希望する選手は、11月1日から2月1日までの間に球団にその旨を伝える。球団は希望する譲渡金(上限2000万ドル)とともに、NPBのコミッショナーを経由してMLBのコミッショナーにこれを伝え、入札を行う。NPB球団は、応札した全てのMLB球団と交渉を行い、移籍を決定する。
2012年までは譲渡金に上限がなかった。松坂大輔のときは5000万ドル、ダルビッシュ有のときも5170万ドルという巨額の譲渡金が動いた。
このころに比べれば、ポスティングシステムはNPB球団にとってメリットが少なくなった。
広島は前田とともにシーズンを通じてローテーションをほぼ維持した黒田博樹の去就が不明だ。前田を失うことになれば、投手陣が崩壊する可能性さえある。
前田健太から申し出があったとしても、慎重にならざるを得ないだろう。