充実している日本、チャイニーズ・タイペイ。プレミア12参加国の戦力は?【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回はプレミア12についてだ。
2015/11/08
MLB選手は不参加
いよいよ8日世界野球WBSCプレミア12が開幕する。
IBAF(国際野球連盟)のランキング上位12カ国の代表が集まって、予選リーグと決勝トーナメントを戦う。
第1回の今年は、日本と台湾で開催される。
基本的にはWBCと同様、プロのフル代表による大会だがWBCと大きく違うのは、MLBが支配下選手(40人枠)を派遣しないことを決定したことだ。
これは、アメリカだけでなく、MLBに選手を輩出している国の戦力に大きな影響を与える。その結果、勢力図は大きく変わる可能性がある。
代表の顔ぶれがそろった時点で、戦力の値踏みをしていこう。
戦力の評価として、選手のキャリアSTATSを参照し、MLBのどのランクまで昇進したかを一つの目安とした。
MLB機構でプレーしたことがない選手は、国内リーグなどを表記した。
あくまで「最高ランク」であり、現在プレーしているリーグとは限らない。
IBAFのランキング順に並べた。なお所属チームについては不明の国があり、記載してない国がある。
1位 日本 平均年齢26.5歳
MLBでプレーしている選手はいないが、田中将大、ダルビッシュ有など投手を除いても、昨年の日米野球でもNPB選手のレベルの高さは証明されている。
藤浪晋太郎、柳田悠岐、内川聖一と主力選手が抜けたが、充実ぶりは随一と言っていいだろう。
2位 アメリカ 平均年齢26.1歳
当然のことながらMLBの40人枠にいる選手はいない。一度はMLBに上がったものの、直近はマイナーでプレーした選手とマイナー・リーガーが中心だ。平均年齢も若い。
今年日本で行われたU-18のワールドカップのように注目の若手がいるわけではない。しかしMLB昇格を目指す選手がそろっている。若手左腕のジョーイ・ディネイトは救援投手として注目されている。打者ではマイナー通算113本塁打のマット・マクブライドが中心か。
3位 キューバ 平均年齢29.3歳
キューバ国内リーグは年をまたいで開催される。その中から派遣されている。かつて、国際大会では無敵だったキューバも最近は人材流出が進み、凋落傾向にある。アマチュア野球ナンバーワンの威信をかけて今回も挑む。NPBでプレーしているメンドーサ、デスパイネなども選ばれた。
また元DeNAのユリエスキ・グリエル、兄のユニエスキ・グリエル、弟のルルデス・グリエルも選ばれた。身体能力は高いだけに優勝候補の一角だろう。
4位 チャイニーズ・タイペイ 平均年齢27.6歳
主催国であり、ほぼベストメンバーをそろえてきた。国内リーグ(CPBL)の主力選手に加え、NPBから陽岱鋼など4人、米マイナーでプレーする若手も2人招へいした。
ホームのアドバンテージもあり、期待できるのではないか。