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「MLB落ちの選手は獲りたくない」。スアレス、モイネロら発掘したホークス異色スカウトの矜持

2022/04/14

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Getty Images, 産経新聞社



MLB落ちの選手は獲りたくない

 選手の獲得にあたってトライアウトは何度も行います。色々な要因、条件の違いもありますから、1度、2度見ただけではさすがに分かりません。気に入った選手には、チャンスは何度か与えるのできちんと準備しておくように伝えておきます。この4選手とも数ヶ月かけて追いかけてきました。
 
 そして、この4選手に共通しているのは、MLBのアカデミーやMLB球団を経ていないということです。MLBのスカウト網に引っ掛かっておらず、彼らに先駆けて獲得できた選手です。これは私自身のこだわりとでも言えるのでしょうが、MLB落ちの選手は獲りたくないんです。MLBのアカデミーに所属したり、あるいは1A、2Aなどを経験した選手は悪い意味でのプライドの高さを感じます。それに、日本球界もアメリカのおさがりばかりを拾っていると足元を軽く見られることに繋がるとも危惧しています。
 
 もし、日本球界がMLBで活躍するフェルナンド・タティスJr(サンディエゴ・パドレス)やフアン・ソト(ワシントン・ナショナルズ)クラスのプレーヤーを獲得したいなら15歳、16歳くらいまでに獲得していなければいけません。17歳、18歳では遅いんです。MLBは全30球団が各チーム5~6人程度のスカウトをドミニカに置いていますし、資金力もあります。対する私は1人です。MLBのいい選手を獲得しようという貪欲さはすごいですよ。

 一方で、日本、韓国、台湾といったアジアの球団は動きが遅いという印象です。組織としての柔軟性、選手の年俸はもちろん、スカウティングにかけるお金も桁が違います。私のように選手経験のないスカウトも大勢いますし、彼らの待遇面を聞いても夢を感じますね(笑)。NPBも成長していますが、まだまだMLBから学べることは多いと思います。

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