「MLB落ちの選手は獲りたくない」。スアレス、モイネロら発掘したホークス異色スカウトの矜持
2022/04/14
Getty Images, 産経新聞社
キューバ人選手には亡命というリスクはあるが…
日米球界のスカウトを見回しても、おそらく私ほど広いエリアをチェックしている人間はいないと思います(苦笑)。ただ、その分多くの逸材に出会える可能性もあるわけですからやりがいはあります。
今年も色々と考えています。メキシコではこれまではリーグ戦の視察が中心でしたが、アカデミーにも足を運びたいと思っています。コロンビアにも有望なベネズエラ人選手が流れているので引き続き足を運びます。
そして、キューバ球界も再び動き出したので行かないわけにはいきません。確かにキューバ人選手には亡命というリスクはありますが、必要以上にそこを恐れると第2のモイネロを見逃すことにもなりますから引き続き重要な市場であるという認識は変えません。
最近思うのは、将来的に私自身の経験やノウハウを伝える場を作りたいということです。インターネット時代ですが、スカウト活動は地道なものです。自分の足で稼いで多くの選手を見て、顔を売り、信頼を得る。中南米でこんな活動をしている日本人は私くらいなものでしょうからプライドを持って活動しています。
この点で「みんなが右へ行くなら、お前は左へ行け」と小さい頃から言い続けてくれた父に感謝したいですね。私も契約してもらえる限りはスカウト活動を続けたいですが、海外で頑張りたいという日本の若者を応援したいという気持ちも年々強くなっています。私の経験も微力ですが日本球界に還元できるのではと思っています。
ただ、今は目の前のスカウティングに集中です。日本はもちろん、MLBも驚かせる選手を探し当てられるように今年も中南米を飛び回りますよ!
高橋康光