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「キャッチャーは俺じゃなくても…」苦悩の1年だったオリックス・伊藤光。再び正捕手の座へ【どら増田のオリ熱コラム #61】

昨年は正捕手としてオリックスの優勝争いをけん引し、日米野球でも侍ジャパン代表に選出された伊藤光。しかし、今季は苦しい1年だった。先発マスクをかぶっても結果が出ない日々が続いた。

2015/11/09

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昨年は正捕手も今年は……

 シーズン前はソフトバンクとともに優勝候補筆頭と言われていたオリックス。
 しかし開幕から連敗を喫してしまい、5月が終わった時点で早くも自力優勝が消え、そのままズルズルとシーズンを終えてしまった。何とか最下位こそ免れたものの結果は5位。惨敗である。
 
 今季のオリックスはいろんな選手がもがき、苦しんでいた。
 中でも昨年ソフトバンクとの10.2決戦に敗れ、人目はばからず涙した正捕手、伊藤光にとっては苦悩の1年だった。
 
「去年と特に変わったことはしてないんですよ」
 
 初めて伊藤から話を聞いたのは、2年連続で選出されていたオールスターゲームの落選が明らかになった7月上旬である。
 
 一昨年から侍ジャパンの一員として国際試合を経験しているが、それがリード面に影響を与えたということもないという。
 しかし、この時の伊藤の表情からは明らかに迷いが感じられた。
 
 今季の先発捕手成績をまとめてみた(途中交代の成績は除く)。
 
伊藤 72試合 19勝32敗 防御率3.70
山崎勝 63試合 25勝21敗 防御率3.20
伏見 4試合 1勝1敗 防御率5.50
若月 4試合 2勝1敗 防御率1.88
 
 数字だけ見れば、伊藤が先発の日より山崎の先発の日のほうが勝率、防御率ともにいい。
 ちなみに2014年の先発捕手成績は下記のようになる。
 
伊藤 120試合 50勝38敗 防御率3.10
山崎勝 24試合 7勝7敗 防御率3.09
 
 結果的に今季は山崎勝己が昨年より39試合も先発マスクをかぶる機会が増えた。
 伊藤は金子千尋の先発登板試合は全てマスクをかぶったものの、金子復帰前の5月8日には久々となる二軍落ちも経験したほか、バッティングが良かったことから、代打での起用はもちろん、9月2日の楽天戦ではDHでスタメン出場ということもあった。
 
「DHでも何でもチームに貢献できればという気持ちは最後まで変わりませんでした」
 
 本人はこのように振り返ったが、昨年はオリックスの正捕手として様々な賞を総ナメにしただけではなく、伊藤の負けず嫌いな性格を思うと悔しくないはずがない。
 
 今季から選手会長を務めている責任もあるだろう。チームのために最後までできることをやり続けた。

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