佐々木朗希の育成方針にも繋がる。吉井理人氏が筑波大大学院で学んだこと【インタビュー】
2022/04/20
産経新聞社
千葉ロッテマリーンズ 最新情報
千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手が17日、北海道日本ハムファイターズ戦に先発登板し、2試合連続となる完全投球を披露した。このピッチングの基盤は、吉井理人氏(現ロッテ投手コーディネーター)の存在抜きには語れない。
選手としてもコーチとしても、実績を積み重ねた吉井氏が、コーチングを学ぶために筑波大の大学院に入学したのが2014年春のこと。ここでの経験が、自身のコーチングを見つめ直す大きなきっかけとなった。『新しい少年野球の教科書 科学的コーチングで身につく野球技術』(川村卓著)からインタビューを一部抜粋して公開する。※2019/7/17に発売された書籍の内容です
「コーチと解説者だけは絶対にやらんとこう」と思っていた
――吉井さんは現役引退後、ファイターズのコーチを5年務め、2014年から筑波大学の大学院(人間総合科学研究科博士前期課程体育学専攻野球コーチング論研究室)で勉強されていました。そこで川村卓先生と出会われているわけですが、大学院で学ぼうと思ったきっかけはどこにあったのでしょうか。
大きな理由は、コーチを真面目にやりたいと思ったからですね。それ以前は、イヤイヤやっていたんです。現役を引退したときに、「コーチと解説者だけは絶対にやらんとこう」と思っていたぐらいで。それは、コーチの存在が邪魔だと感じることが多かったから。それが、いざ自分でコーチをやってみると、だんだん面白くなってきて、ファイターズを辞めたところで、コーチングをしっかりと学びたいと思いました。
――コーチの面白さを、どのあたりに感じたのですか。
奥の深さに気づいたからです。コーチが発する言葉の影響力が思っていた以上に強く、選手をダメにしてしまう一言も多い。だから、奥が深く、難しい。