正田、藤原の両左腕が持ち味を発揮。独自採点で2015年プロ野球トライアウトを振り返る（投手編）
11月10日、「日本プロ野球12球団合同トライアウトin静岡」が草薙球場で行われ、投手34人、野手14人が参加した。昨年までは2回にわけて開催されていたが、今年はこの日1回のみ。投手は打者3人と対戦、野手は1人7打席が与えられ、各球団の編成担当、そして詰めかけた観客の前で、気持ちのこもったプレーを見せた。
2015/11/12
ベースボールチャンネル編集部
北方はストレートで観衆を沸かしたが……
23．金伏ウーゴ（ヤクルト）
採点：Ｂ
VS.白根 一邪飛
VS.角 二ゴロ
VS.鵜久森 左飛
目いっぱい腕を振って投じるストレートが光る、左オーバースロー。ただ、ストレートだけでは通用しないのが一軍の世界。フルカウントからでも自信を持って投じられる変化球の習得が必須。
24．中後悠平（ロッテ）
評価：Ｃ
VS.大平 死球
VS.佐藤 四球
VS.原 四球
プロ入り後の課題であるコントロールが改善されず、1死球2四球。左のサイドスローからこの日も最速145キロのストレートを投じ、スライダーのキレもいい。ただ、どうしてもコントロールに不安が残る。
25．柴田健斗（オリックス）
評価：Ｂ
VS.中村 投ゴロ
VS.白根 遊ゴロ
VS.角 空振り三振
140キロ台中盤のストレートと、チェンジアップのコンビネーションで三者凡退に抑える。ストレートの力、チェンジアップのキレは、本人も自信を持っているところ。あとは、これまでのピッチャーにも共通するところだが、細かいコントロールがカギ。
26．塚田晃平（元広島／新潟アルビレックスＢＣ）
評価：Ｃ
VS.鵜久森 空振り三振
VS.大平 空振り三振
VS.佐藤 見逃し三振
193センチ97キロの体格が目立つ、右のオーバースロー。ストライクからボールになる落ちる変化球で2つの空振り三振、インコースのストレートで見逃し三振を奪う。三者三振を奪ったのは、この塚田のみ。ただ、一軍での活躍となると、ストレートの強さ、変化球のキレともにランクアップが求められる。
27．中村恵吾（ソフトバンク）
評価：Ｃ
VS.原 死球
VS.中村 遊飛
VS.白根 中ヒット
右のサイドスロー。今季は主に三軍で登板し、31試合で防御率5.50。両コーナーを丁寧に突いていたが、絶対的な武器となる球種がなかなか見えてこなかった。原に対してはフルカウントから投じたスライダーが抜け、デッドボールを与える。
28．甲斐拓哉（元オリックス／信濃）
評価：Ｃ
VS.角 中越え二塁打
VS.鵜久森 左中間二塁打
VS.大平 中飛
角、鵜久森に完璧にとらえられ、外野オーバーの長打を浴びる。スピード、コントロールともにアピールすることができなかった。
29．日高亮（ソフトバンク）
評価：Ｂ
VS.林崎 四球
VS.貴規 二安打
VS.山本 遊ゴロ
ソフトバンクの先輩・和田毅のように、スピードガン以上のキレを感じる左腕。ストレート、変化球ともに、トライアウト組のなかでは光っていた。
30．土屋健二（DeNA）
評価：Ｃ
VS.渡邊 遊ヒット
VS.三家 左飛
VS.鵜久森 二ゴロ
コントロールが武器の左腕。ストレートでも変化球でも、いつでもストライクが取れる。ただ一方では、オーソドックスな左腕で、いやらしさやクセがない。1球1球のボールの強さを考えたときに、一軍の打者を押し込めるかとなると、不安要素を感じる。
31．伊藤拓郎（元DeNA／群馬）
評価：Ｃ
VS.藤澤 空振り三振
VS.佐藤 右飛
VS.原 三ゴロ
プロの途中からスリークォーターへ転向。高校時代はストレートの球速が際立っていたが、今日光っていたのは変化球のキレ。左打者の藤澤に対して、追い込んでから外のシンカーで空振り三振を奪う。ただし、全体的なコントロールはアバウトで一軍レベルで見ると不安が残る。
32．北方悠誠（ソフトバンク）
評価：Ｃ
VS.中村 四球
VS.白根 中飛
VS.角 右ヒット
課題であるコントロールに苦しんだ。ピッチング練習からストライクが入らず、一人目の打者・中村に対してはキャッチャーが立ち上がっても捕れない大暴投。3ボールから1球ストライクが入っただけで、観客から拍手が起こるシーンもあった。ストレートは146キロを記録したが、コントロールの安定が先決。
33．今井金太（DeNA）
評価：Ｃ
VS.大平 投ゴロ
VS.田上 中ヒット
VS.林崎 空振り三振
テンポよく投げ込む右のスリークォーター。ストレート、スライダー、チェンジアップともに安定感があったが、ほかのピッチャー同様に絶対的な武器となるものが見えてこなかった。