【MLB】米サイトで前田健太を詳細分析。メジャーでは制球力が生命線、スライダーとチェンジアップが大きな武器に
メジャー行きが噂される前田健太について「ファン・グラフ」が統計データを用いて分析している。
2015/11/12
Getty Images
前田のチェンジアップとスライダーはメジャー級
1試合ではあるが、2013年WBCのプエルトリコ戦で先発した試合での数値をpitchf/xのデータを下にさらに分析を進める。
平均球速だけを比較するとほとんどのメジャーリーガーが前田より上をいくだけに、サリス氏はメジャーで成功するかどうかは、球の変化と制球力にかかってくると指摘する。
中でもプエルトリコ戦で見せた縦のスライダーとチェンジアップを高く評価した。
前田以上に縦の変化が大きいスライダーを投げる投手はメジャーで他に9人のみで、数値だけを見るとサンフランシスコ・ジャイアンツで活躍するセルジオ・ロモの球に似ているようだ。
前田はスライダーとカットボールを駆使するが、メジャーでもこの2球種を使いこなせる投手は少ないため、大きな強みになると予測する。
またチェンジアップの落差で前田を上回るのはマリナーズのフェリックス・ヘルナンデス、ブレーブスのウィリアムス・ペレス、そしてフィリーズのアーロン・ノラだけだと紹介。動きと球速を比較すると、メジャーリーグに所属する投手の中で一番類似するのがノラだという。
そのノラは平均以上の空振りとゴロ数を取っている。
球速よりも球の変化を重要視すれば、前田のチェンジアップは素晴らしく、スライダーとあわせて最低でも良い変化球を2つ持ち合わせていると結論付けた。
ノラはメジャーで80イニングも投げておらず、FAとして契約を結んだこともないためここまでの成績と年俸を前田に照らし合わせるのは難しい。だが一度はメジャー全体で39番目の有望株と評価されていたことから、1900万ドルのサープラス(価値)があると見られ、それをポスティングシステムで前田から得られると感じられれば、興味を持つべきだろう。
ちなみにメジャー行きの噂が先行しているが、最終的な決定権は広島東洋カープにあり、前田健太をポスティングするメリットはカープにさほどなく、エースを慰留してもおかしくないとも付け加えられている。
Still, if Maeda posts, there’s enough upside there to get interested. Getting a 27-year-old right-hander who might be as good as Aaron Nola without paying full price should get more than a few teams the table. And if he does come over, we’ll all enjoy watching him warm up.
「それでも前田がポスティングされれば、興味を示す利点は十分にある。アーロン・ノラに匹敵する能力を持ち合わせた27歳を(育成期間を含めた)全額払わずに獲得できるため、参加する球団はいくつか出てくるだろう。彼がメジャーへ来ることになれば、我々は彼のウォーミングアップを楽しむこととなるだろう」
出典: Looking for a Kenta Maeda Comp by Eno Sarris in Fan Graphs.com on November 11, 2015