評価わかれる白根、打力アピールも守備で不安の貴規……独自採点で2015年プロ野球トライアウトを振り返る(野手編)
11月10日、「日本プロ野球12球団合同トライアウトin静岡」が草薙球場で行われ、投手34人、野手14人が参加した。昨年までは2回にわけて開催されていたが、今年はこの日1回のみ。投手は打者3人と対戦、野手は1人7打席が与えられ、各球団の編成担当、そして詰めかけた観客の前で、気持ちのこもったプレーを見せた。
2015/11/13
ベースボールチャンネル編集部
鵜久森は猛アピールできず
10.中村憲(広島)
採点=C
VS.玉置 二ゴロ
VS.江村 空振り三振
VS.上野 右前ヒット
VS.大場 空振り三振
VS.柴田 投ゴロ
VS.中村 遊飛
VS.北方 四球
真ん中からインコース寄りにツボがある選手。一方で、アウトコースに関しては脆さがある。左腕の江村には外の出し入れだけで、空振り三振を奪われた。対応力を上げていかなければ、一軍のピッチャーは厳しい。
11.白根尚貴(ソフトバンク)
評価:B
VS.藤江 左中間二塁打
VS.江村 右飛
VS.上野 右中間三塁打
VS.金伏 一邪飛
VS.柴田 遊ゴロ
VS.中村 中前ヒット
VS.北方 中飛
バッティングでもっともアピールしたのが白根。藤江、上野から打った長打は会心の当たりだった。ただ、気になるのはいずれのヒットもアウトコース寄りの甘い球を打ったもの。インコースは、金伏が投じたやや甘目のクロスファイアーに一塁ファウルフライに倒れている。スイングを見ると、インよりも外のほうが得意。インコースをさばけるかどうかが、これからの野球人生を左右しそうだ。守備力、走力が高いわけではないので、打って活躍するしかない。
ちなみに、高校時代は「山陰のジャイアン」と呼ばれていたが、プロに入ってから体重が激減し、今はモデルのようにスラリとしている。
12.角晃多(元ロッテ/武蔵)
評価:C
VS.藤江 空振り三振
VS.江村 一飛
VS.雨宮 四球
VS.金伏 二ゴロ
VS.柴田 空振り三振
VS.甲斐 中越え二塁打
VS.北方 右前ヒット
甲斐と北方からヒット1本ずつ放ったが、正直、トライアウト組のなかでも苦しんでいたピッチャー。そのほかのピッチャーからはいい結果を残せず、さらに一軍レベルはもっと高いことを想像すると、道は険しい。
13.鵜久森淳志(日本ハム)
評価:C
VS.藤江 中飛
VS.西村 一飛
VS.雨宮 右飛ヒット
VS.金伏 左飛
VS.塚田 空振り三振
VS.甲斐 左中間二塁打
VS.土屋 二ゴロ
高校時代の活躍を知る人が多く、大きな拍手で迎えられたが……。130キロ後半のストレートに差し込まれる打席が多く、同じような凡退の仕方が目についた。早いカウントで甘いストレートを狙いにいっても、ファウルにしてしまう。一軍のピッチャーのストレートを考えると、現状では厳しい。
14.大平成一(元日本ハム/信濃)
採点=C
VS.前田 二ゴロ
VS.西村 空振り三振
VS.雨宮 左中間二塁打
VS.中後 死球
VS.塚田 空振り三振
VS.甲斐 中飛
VS.今井 投ゴロ
ストレート、変化球のコンビネーションに対応できず。塚田に喫した空振り三振は、低めのボールになる変化球を注文どおりに振らされてしまった。