プレミア12で打棒爆発の中田、戦力外で移籍の鵜久森。4番打者進化の道は「うまさ」か「すごさ」か【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#16】
ファイターズには不動の4番・中田がいるが、ファンは未完の大器・鵜久森淳志の覚醒にもずっと期待していた。その鵜久森が今オフついにファイターズから戦力外通告を受けた。トライアウトを経て、来季は東京ヤクルトスワローズでプレーする。
2015/11/14
ベースボールチャンネル編集部
長打力を求められた鵜久森
唐突に鵜久森淳志の話になるのをお許しいただきたい。それは未完の大器・鵜久森がずっと抱えていた問題なのだ。このオフ、ファイターズはとうとうウグを戦力外にした。たぶん鎌ヶ谷に通っていたファンは全員凹んだと思う。僕も含めて、ウグには皆、思い入れを持っていた。
鵜久森の難しさは「ホームランが魅力」と安易に言われてしまう部分だ。右の大砲。ウグのスケールの大きさを思うと、そこを要求したくなるのは人情というものだ。ファイターズは長い間、彼が大成するのを待っていた。人間的にもマジメであり、誰もが惚れ込む逸材だ。
おそらくプロの世界で鵜久森が生き残るには「ホームランが魅力」ではいけなかったのだ。ウグは右打ちをマスターした。僕は鎌ヶ谷のスタンドでしびれたものだ。「ハムの大道」になると思った。イメージは現・ソフトバンクコーチの大道典良氏だ。一発長打を捨て、しぶとさに徹した仕事人。
が、「ハムの大道」は実現しなかったのだ。1軍に呼ばれたとき、首脳陣から「お前はホームランが魅力だ」と言われてしまう。ホームランが魅力のわりには短期間で結果を求められた。ウグは「うまいバッター」か「すごいバッター」か、進むべき道に悩んだと思う。
中田翔も鵜久森淳志も、スケールの大きな打者は夢を見せてくれる。見ているほうはいいのだ。見せてくれている側はホントに大変だ。
※13日、鵜久森淳志のヤクルト入りが正式に決まりました。がんばれ、ウグ!!
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