補強ポイントと合致、コンバートも可能に。楽天が三塁手・今江を必要とする理由
楽天が、ロッテからFA宣言した三塁手・今江の獲得を目指すようだ。もしも楽天に加入するとなれば、チームにどんな化学変化をもたらすのだろうか。
2015/11/13
チームに必要な「経験」
楽天がロッテから涙のFA宣言となった今江敏晃の獲得に驚くほど熱心だ。
報道によると、交渉解禁となった12日、安部井寛チーム統括本部長がさっそく電話を入れ、今江本人にラブコールを送ったという。
複数年の契約内容と背番号一桁をひっさげて、星野副会長が直接交渉のテーブルに就く用意があるとも言われており、もし成就となれば、2008年オフの中村紀洋以来、球団史上2人目のFA入団選手になる。
2年前に日本一になったとはいえ、このチームに圧倒的に足りないのは「経験」だ。一例を挙げると、通算1000安打以上を放った中堅・ベテラン選手が松井稼頭央と後藤という現実。生え抜きでは嶋基宏の732安打が最多安打記録という状況だ。
2年連続最下位のチームを立て直していくには、外部からの新風は不可欠。それも1411試合1424安打を積み重ねてきた今江の経験豊富なキャリアは欠かせないと判断したのだろう。
松井稼と後藤が年齢的にもフル出場が難しい中、怪我さえなければまだまだ十分に働くものと見込まれる32歳は、フィールド上で若手に経験を伝えることができる点もポイントだ。
また、この2年間、負けが込むと歯止めがかからない悪循環が目立つチーム状況で、2度の下剋上当事者で逆境を跳ね返す術を知ったマリン戦士という点も、魅力的に映ったと考えられる。