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実力不足を痛感しながらもがく清宮。「甲子園組三銃士」に託されるチームの未来【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#173】

先日ファイターズはオリックス戦で3番清宮、4番野村、5番万波のクリンナップを組んだ。まだまだ経験の浅い「甲子園組三銃士」が成長を遂げ、1軍で結果を残せるかどうか、ここにこのチームの未来が懸かっている。

2022/05/15

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産経新聞社



鎌ヶ谷クリンナップが1軍で通用すれば……

 札幌ドームで見たオリックス8回戦(5月11日)は面白い試合だった。金子千尋が960日ぶり(19年9月以来)の先発勝利を飾った試合だ。大投手復活は大きく扱われてもいいものだが、ソフトバンク・東浜巨のノーヒットノーラン達成が同じ日だったのもあり、スポーツ紙の1面を取ったのは北海道だけだった。まぁ、見ていた者としてもそりゃそうかなと納得するしかない。
 
 両軍先発は金子とワゲスパック。ワゲスパックは初めて見たが5回(100球)被安打9、失点5でよくおさまったなと思う。何しろファイターズは毎回ランナーを出しているのだ。そしてワゲスパックのモーションが大きくて盗塁が容易だった(ヌニエスまで二盗に成功した)。これは何を意味するかというと得点圏にランナーがいるのだ。ほぼ毎回チャンスだ。ファイターズがしっかり適時打を稼いでいれば5点どころじゃなかった。
 
 得点が入ったのは1、2回の序盤だけで、その後は基本チャンスをつぶし続けた。札幌ドームのファンも気勢が上がらない。大勝にならなくてよかった(?)のは宮西、堀、北山にホールドシチュエーション、セーブシチュエーションが残ったことぐらいだろうか。ま、端的に言えば「もっと楽に勝てたのにもたもたした試合」という印象だ。
 
 が、「もたもた」にチームの現在地点が集約されている。ファイターズは(中田、大田、西川がいなくなったところは割愛するが)主軸の近藤健介を右内腹斜筋肉離れで欠いている。対戦相手のオリックスも吉田正尚ら主力をコロナ禍で欠き、ようやく前日、連敗を7で止めたところだ。どちらも人繰りに苦労している。オリックスは4番頓宮裕真だ。その苦労してるときこそファンの応援が肝心だ。球場に足を運んだファンは(どちらのサイドも)そんな思いだったと思う。
 
 ファイターズはこのオリックス連戦、3番清宮、4番野村、5番万波のクリンナップを組んだ。目下リーグの首位打者・松本剛はトップバッターだ。ちなみに松本はこの日、4打数4安打、1死球、盗塁2の大活躍で、チャンスメークに徹した。素晴らしい活躍だった。
 
 が、「甲子園組三銃士」のクリンアップは経験が浅い。まだチャレンジしてる段階で、仕事をしてはいない。会心の当たりを見せることはあってもその確率は低く、再現性に乏しい。すごくわかりやすい言い方をすれば犠牲フライが打てない。相手の配球を読み、難なく犠牲フライを打ち上げる技術がない。つまり、若いのだ。場数が足りない。
 
 だけど、近藤不在のチームで夢を託すとしたら「甲子園組三銃士」なんだなぁと思う。「もたもた」しようが何だろうが、この並びには夢がある。これは関東のファンにはなじみ深い、鎌ケ谷のクリンナップだ。この並びが1軍で通用するようになればファイターズは新時代を迎える。
 

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