先発?リリーフ? 4年ぶり阪神復帰の藤川球児、注目される起用法
14日、藤川球児が4シーズンぶりに阪神タイガースへ復帰することが正式に決まった。かつてはセットアッパー、クロ―ザーとして活躍したが、今度はどのポジションを任されることになるのだろうか。
2015/11/16
MLBでは故障に泣かされた藤川
14日、藤川球児が4シーズンぶりに阪神タイガースへ復帰することが正式に発表された。
MLBに挑戦したのは2013年。海外FA権を行使してシカゴ・カブスと2年契約を結んだ。
しかし、1年目の5月末にはトミー・ジョン手術を受けることが決まり、6月11日に手術。翌2014年8月に復帰したが、カブスの契約期間はほぼリハビリに費やす結果となった。
2015年はテキサス・レンジャーズと1年契約を結ぶものの、右脚の故障もあり、新天地でも結果を残せず、5月17日にDFA(戦力外)となった。
去就が注目されたが、6月に四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスに入団すると発表。世間を驚かせた。
高知ファイティングドッグスでの戦績は以下の通りだ。
・練習試合
6月20日 徳島、香川合同チーム 4回5被安打1四球2三振自責点1 57球
6月27日 愛媛 2回無安打1四球3三振自責点0 34球
・公式戦
8月6日 徳島 0回無安打1死球0三振自責点1(危険球退場)
8月7日 愛媛 5回1被安打1四球12三振自責点0 73球 勝利投手
8月15日 愛媛 5回3被安打1四球7三振自責点0 62球
8月21日 徳島 6回5被安打無四球9三振自責点0 71球
8月29日 香川 8回9被安打1被本塁打1死球11奪三振 自責点2 121球 敗戦投手
9月7日 香川 9回3被安打1四球1死球8三振 自責点0 121球 勝利投手
通算8試合2勝1敗 防御率0.92
(内訳39回21被安打1被本塁打5四球3死球47奪三振 自責点4 545球)
四国アイランドリーグplusに参加する4球団は、福岡ソフトバンク・ホークス三軍と前期4試合、後期4試合をホーム&アウエーで合計8試合の交流戦を行い(ソフトバンク杯)、互角の戦績を残している。
NPBで実績を残し、MLBの舞台にまで上り詰めた藤川にとって、独立リーグで抜群の成績を上げるのは全く不思議ではない。
その投球内容よりも注目すべきは、二軍時代以来の長いイニングを投げた点にある。球数が100球を超しても球威にいささかの衰えもなかった。
6月20日の時点では最速143km/hだった。藤川は試合後の会見で「150㎞/hは今でも出ますよ」と言ったが、8月7日にはその言葉通り球速150㎞/hを記録した。
藤川はトミー・ジョン手術後のリハビリにおいて、アメリカでは練習でも厳しい球数制限が課せられる。ブルペンでの肩慣らしも球数が制限される。そのうえで登板する試合も少なかった。
アメリカでの3シーズン、藤川は練習でも試合でも投手として十分に投げ込むことができなかった。日本球界に復帰するにあたり藤川が最も不安だったのは「手術明け、投手としての力量がどこまで自分にあるかを確かめられていない」ことだったのではないか。
高知へ移籍後は最初は短いイニングで試運転、最後は121球を投げて完封。シーズン通算成績を振り返っても、被安打、被本塁打が少ないのは当然だが、与四球が39回でわずか5、奪三振がイニング数を大きく上回る47、というあたりに、投手としての「ポテンシャル」を再確認できたはずだ。