「同じ失敗を繰り返さない」来季DeNAのセンターライン競争で生き残りを誓う、高城・倉本・関根
前半戦は98年以来の首位ターンながらも、シーズン最下位に終わったDeNA。特にセンターライン(捕手・遊撃手・中堅手)を固定できなかった。そのポジションで一時はレギュラーをつかみかけた選手たちはどうして定着できなかったのか。何が原因だったのか。
2015/11/18
ベースボールチャンネル編集部
打撃面でプロの洗礼を浴びた倉本
またセンターラインの要であるショートの倉本寿彦にとっても苦しいルーキーイヤーとなった。開幕スタメンという華々しいデビューを飾った倉本は、3月~5月は失策1(シーズン計7)という守備力を見せ社会人ナンバーワン遊撃手として存在感を示したものの、打撃では2割に届かない低打率でプロの洗礼を浴びた。
シーズン前半は我慢強く起用され続けたものの、6月以降はチャンスが減りファーム落ちなども経験。一筋縄ではいかないプロの厳しさを知ったシーズンだった。
「守備はある程度できるかなと感じたんですが、打撃に関しては完全に力不足でした。というか、そこまでの力がなかった」と、倉本は厳しい表情でシーズンを振り返る。
「ただ、それでも1年間試合に出させていただいたのは大きな経験だし自信にもなりました。それもあってシーズンの後半は吹っ切れたという思いに至ったんです」
シーズンを通しての打率は.208だったが、9~10月の打率(45打席)だけを見ると.267と向上している様子がうかがわれる。果たしてなにを吹っ切ったと言うのか。
「当初は強く振りたい、大きいのを打ちたいという気持ちが強かったんです。ただそれでは結果は出なかった。自分の持ち味を捨てたくはなかったのですが、そこを我慢して、ミートを中心にして打率を上げていかなければ考えになっていったんです。気持ち的には大変なシーズンでしたが、この経験を今後のプラスにしていきたい。来シーズンは最初が大事。勝負だと思っているので頑張ります」
アレックス・ラミレス新監督が就任したことで、仕切り直しとばかりフラットな視線が多くの選手たちに注がれる。とくにラミレス監督はセンターラインの強化を宣言しており、より激しい競争が求められる。
前出の関根は言う。
「新監督ということで最初のイメージが大事思うので、やるべきことをやりインパクトを残せるようにしたいですね。そうするためにも自分が納得できるような準備をきちんとして、来年のキャンプに挑みたいと思います」。
誰が抜け出るか予断を許さないセンターライン争い。定着する選手が現れてこそ、DeNAの未来は拓ける――。