坂口、鵜久森補強もバーネット移籍へ。ヤクルト、連覇に向けた課題【新・燕軍戦記#17】
日本シリーズでは、パリーグ王者の福岡ソフトバンクホークスの前にあえなく屈した東京ヤクルトスワローズ。それでも2年連続最下位から巻き返し、14年ぶりのセリーグ制覇を成し遂げたことには胸を張っていい。来シーズンは球団史上2度目のリーグ連覇がかかるが、その前に直面している課題とは……。
2015/11/19
常勝軍団形成へ外野手を補強
「1年目からこんな素晴らしい経験をさせてもらって、選手には感謝しないといけないと思いますね。ただ、まあ先がありますからね。これから常勝というか、いいチームをもっと努力して作っていきたいと思います」
日本シリーズ敗退直後の会見でそう話した真中監督だが、常勝チームを作り上げるための第1歩として、来季はセリーグ連覇が目標となる。球団史上でも1992、93年の1度きりしかないその連覇に向け、球団はこのオフ、まずは外野手の補強に動いた。
ヤクルトの外野は、青木宣親が2012年にメジャーリーグへ去って以来、正中堅手不在の状態が続いている。当初はドラフトで明大の高山俊の獲得を目指していたが、抽選に外れたことでオリックスを戦力外となった坂口智隆(31歳)を獲得した。
ここ数年は故障などもあって精彩を欠いていた坂口だが実績は十分で、新天地で『再生』できれば文句なしの正中堅手候補となる。もちろん球団としては、彼の加入で比屋根渉、上田剛史らが奮起してくれればとの思いもあるだろう。
さらに坂口と時を同じくして、北海道日本ハムを戦力外となった鵜久森淳志(28歳)も獲得した。鵜久森は一軍では通算6本塁打ながら、ファームでは今季10本塁打を放つなどパンチ力もある。外国人を除けば長打力のある右打者がほとんどいない外野陣にあって、貴重な存在として期待される。