帰ってきた和田毅。工藤監督待望の左投手加入で、来季もホークス先発陣はし烈なバトル
ソフトバンクに和田毅が復帰する。かつてはチームのエースとして活躍した左腕の加入で、来季もホークス先発陣はし烈なバトルとなる。
2015/11/22
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戻るならホークスしかない
ソフトバンクに和田毅が帰ってきた。
11月14日、福岡市内のホテルで入団会見が行われ、工藤公康監督とともに登場した和田は「素直にうれしいです」と笑顔を見せた。
2002年ドラフト自由獲得枠でダイエー(当時)に入団した左腕は、1年目に14勝を挙げて新人王に輝いた。その後、5年連続で2ケタ勝利をマーク。10年は17勝で最多勝を獲得し、投手陣の柱となって常勝ソフトバンクを築きあげた一人である。
日本一となった11年オフに海外FA権を行使して、海を渡った。オリオールズに所属した2年間は故障により一度もメジャーに昇格することはなかった。その後、カブスとマイナー契約を結び、14年にメジャーデビューするも度重なる故障により、本来の投球ができないまま自由契約となっていた。
「日本に戻るか、アメリカに残るのか。今年の成績ではアメリカでは必要とされない。やるからには必要とされたい。ホークスからは『いつでも戻ってこい』と言ってもらっていました。戻るならホークスしかない。他球団の話は一切聞いていません」
そう古巣復帰への思いを語った。12年に行った左ヒジ手術の影響はもうないという。
「ケガで野球人生を終わりたくない。ホークスに恩返ししないままは嫌だ」
これは本音だろう。
工藤監督は「故障に対する勉強もしている。ピッチングだけじゃなく、取り組む姿勢など、若手選手に影響を与えられるのでは」と期待を寄せる。現役生活29年の指揮官には学ぶことも多い。自分の体を理解し、事前に故障を防ぐ術をより多く身につけられれば、チームへの恩返しは長く続けられる。
「監督からは『自分のスタイルでのびのびとやっていい』と言ってもらえた。でも責任が伴う優しい言葉であり、厳しい言葉」
背番号は以前と同じ「21」。苦しい環境での経験も活かし、新たな投球スタイルを見せてくれるに違いない。