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木下雄介、戸田懐生…球速アップの専門家が語る独立リーグで“大化け”した選手の共通項

2022/06/29

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産経新聞社



――戸田投手はいかがですか?
 
殖栗 戸田は甲子園にも出ながら故障もあって野球を1度辞めてウチにやってきた選手です。彼は良い意味で「野心の塊」でしたね。プロにも「すぐに行きたい」と言っていたんですけど、入団したのがシーズン開幕後の6月だったので規定でその年のドラフトにはかからなかったんです。
 
すると、その年のドラフトでチームメイトの上間永遠、岸潤一郎、平間隼人がプロに入った。そこで、スイッチが入ったんです。そこからの1年間は木下と同じようにめちゃくちゃトレーニングしていましたね。
 
――彼の場合は上背があまりないですが、ポテンシャル的にはどうでしたか?
 
殖栗 身長はもちろんですが、戸田の場合は握力や上半身のパワーが極端に低かったんです。代わりに、垂直飛びのような下半身の瞬発力はものすごく強かった。その意味ではバランスが悪かったんだと思います。そこで、「お前は上半身、握力、指先の力が圧倒的に不足している」ということを熱心に伝えて、弱点を克服することに取り組みました。足りない部分を補ったことで、球速も上がってプロ入りにもつながりましたね。

――彼らのように、独立リーグで「大化け」してプロに行く選手に共通点はありますか?
 
殖栗 優れたポテンシャルを持っているのはもちろんですけど、彼らに一番共通していたのは、「とにかくめちゃくちゃ練習した」ことですね。プロに行くんだという意志が強くて、そのために厳しいトレーニングもしっかりとこなす。指導しているトレーニングを、キチンとやればしっかりと結果が出ます。だからこそ、誰よりもそれをやり切れた選手が、プロにも評価されていると感じます。(後編につづく)

書籍情報

『球速10キロアップ ピッチャーズ球速向上プログラム』

(殖栗正登著/A5判/254頁/2100円+税)

【目次】
序章 速球を投げるメカニズム/マウンドからの投球/3つの運動/運動の3法則/ピッチング動作と力/投球障害と投球メカニズム/ブレーキ効果末端加速と投球の運動連鎖/水平投げ(速投)と垂直投げ(遠投)/運動学習理論/運動制御理論/運動の成り立ち/投球の長期育成
 
PART 1 グロースムーブメント
PART 2 バランスムーブメント
PART 3 ファンダメンタルムーブメント
PART 4 アスレチックムーブメント
PART 5 ベースボールパワーポジション
PART 6 ローテーションムーブメント
PART 7 スローイングムーブメント
PART 8 ピッチングムーブメント
PART 9 フォーム修得反射反応リフレクシブドリル
PART 10 ポテンシャルトレーニング
PART 11 体力テスト
PART 12 パワートレーニング
PART 13 ローテーションパワートレーニング
PART 14 トランジショントレーニング
 
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