納得のベストナイン選出。ファイターズ野球の申し子、田中賢介・中島卓也の二遊間コンビ【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#17】
今季2位で終えたファイターズ。しかし振り返ってみればプレミア12での大谷・中田の活躍、新人王には有原が選ばれ、ベストナインでも最多選出になり、年間を通じてファイターズ戦士が高く評価されたことになる。
2015/11/29
予想外だった新人王・有原の選出
しかし、ベストナイン&新人王の最多選出はどうだ? 投手部門の大谷翔平、一塁手に中田翔、二塁手・田中賢介、遊撃手・中島卓也、新人王・有原航平。もしかしてファイターズは(投票資格を持ってる)記者に人気があるのか。特に有原は8勝6敗防御率4.79で選出してもらえるとは思わなかった。将来性込みでゲタを履かせてもらったと思って、来年以降、受賞に恥じない活躍を見せてほしい。
嬉しかったのは田中賢介、中島卓也の二遊間コンビ受賞だ。大谷や中田はいわばパリーグの顔だから、そりゃそうでしょうという感じもある。賢介と中島は「あ、やっぱり、わかってもらえたか」だ。この2人が今季のファイターズのキーマンだった。
田中賢介は米球界から戻って、日本野球に懸命に「再順応」した。僕は賢介がどのくらいつなぎのバッティングをして、また意欲的に走塁するかがポイントだと思っていた。最初、「2番・賢介、9番・中島」の打線だったが、これを「2番・中島、3番・賢介」に組み替えたのがヒットだった。打線が本当の「線」になった。
中島は小技も効くし、ファウルで粘って四球で出塁したり、そうじゃなくても相手投手の神経を疲れさせる。そこにもう一枚、賢介が続くんだからこれはいやらしい。そもそも相手投手に球数を放らせるのは賢介の十八番だった。選球眼が良く、長打もある。しかも走れるのだ。僕は賢介が肩を痛め、腕が満足に振れない状態で一心に走ったことが、ファイターズ野球を復活させたと思っている。ベテランの賢介が走ってる以上、他が抜くわけにいかない。「盗塁王・中島卓也」はそんな賢介の一番弟子だった。ベストナイン選出はそこを見てもらえたのだ。
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