2015年MVPの柳田悠岐と山田哲人。三冠王に近いのはどちらか?【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は柳田と山田の三冠王の可能性について考えてみた。
2015/11/30
ベースボールチャンネル編集部
5番6番が抜けると、柳田のマークは今年以上に厳しいものに
次は、味方打線とのかかわりで二人の三冠王の可能性を考えてみたい。
まずは柳田悠岐。ソフトバンク打線を打順別にみていく。投手を除く打者が何番でスタメン起用され、どんな成績を残したかのデータとなる。
ソフトバンク打線は強力だったが、工藤監督は1、2番に本多、福田、川島、中村晃、今宮、明石、高田ら複数の選手を試した。シーズン終盤には明石が1番を多く任された。
柳田は3番に固定し、4番は内川。内川の成績は平凡に見えるが打点は82、4番の仕事は果たしていたことがわかる。
注目すべきは5番、6番がともに30本塁打、80打点以上を挙げている点だ。
柳田はリーグ最強打者で、さらに今年のソフトバンクは彼以外にも4、5、6番に侮りがたい強打者が控えていた。
切れ目なく続く強力打線を背景に柳田は「勝負してもらえた」部分があるのだ。
現在5番李大浩、6番松田宣浩はMLB挑戦を表明している。来季もしもこの2人が抜ければ、いかに層が厚いソフトバンク打線といえども、パワーダウンは避けられない。
柳田との勝負を回避する投手は増えるだろうし、内角に対する攻めも厳しくなる可能性が高い。
味方打線の厚みがなくなれば、今季よりも柳田へのプレッシャーは高まる。
その中で、柳田がさらなる成長をすることが求められる。