落合GM流指導論「欠点2つがプラスになることも」。加藤新コーチは悩める高橋周平らを導けるか
秋季キャンプも終わったが、選手・監督はすでに来年に意識が向いている。技術の向上を目指す選手たちに欠かせない指導者の存在。ここでも落合GMは独自の考えをもっている。
2015/11/30
指導者に大事な視点とは?
プロ12球団は秋季キャンプを終え、これから2カ月間はポストシーズンとなる。
監督たちはそれぞれキャンプの成果を語っていたが、それを来春のキャンプ、さらにペナントレースにつなげていけるかどうかが肝要だ。
前回、中日の落合博満ゼネラル・マネージャーが語る、この時期の重要性をまとめたが、その中で技術の向上を目指す際の視点もユニークである。
プロに限らずアマチュアでも、指導者は技術の向上を足し算のようにたとえる場合が多い。
つまり、ゼロから1、2、3……と、一つひとつの技術を辛抱強く、コツコツと身につけ、積み上げていくという意味だ。この点については落合も同じだが、イメージは足し算ではなく掛け算なのだという。
「6の技術を持った選手が、もうひとつの技術を身につけたら7、もうひとつで8と考えた場合、欠点については-1、-2というとらえ方になる。確かに技術は積み上げていくものだけれど、いいものはプラス、欠点はマイナスという感覚ではないんじゃないか。なぜなら、バットスイングの場合、欠点はあっても、それで全体のバランスが崩れていなければ修正することができないケースもあるし、大きな欠点、いわゆるマイナスが2つあることでプラスに転じている選手もいるんだ」
例えば、スイングの軌道は、トップの位置からミートポイントに向かってグリップが最短距離を走るのが理想的だ。ゆえに、トップの位置から一度グリップが脇に落ち、そこからミートポイントに出ていこうとするスイングは軌道を修正しなければならない。
また、下半身の動きでアウトステップすると、体の開きが早くなってミートの安定性が高められない。これも修正が必要だろう。