【MLB】ポスティングで移籍を目指すカープ・前田。過去岩隈、中島ら契約で折り合いつかなかった事例も
広島・前田健太がポスティングシステムでMLB移籍を目指すことが決まった。
2015/12/05
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ポスティングシステムのメリット
広島のエース、前田健太がポスティングシステムでMLB移籍を目指すことが決まった。
本来、NPB選手がMLBへ移籍するためには、大前提として海外FA権を取得しなければならない。これは選手がNPB入りしてから最短で9年かかる。高卒で入った選手は28歳、大卒ならば32歳にならないと取得できない。
野球選手のピークは27歳から32歳くらいまでとされる。働き盛りのうちに、世界最高峰の舞台で自分の力を試したいという選手のために、1998年、NPBとMLBが結んだ協定によって、ポスティングシステムが創設された。
ポスティングシステムでのMLB移籍を希望するNPB選手はまず所属球団の承認を得なければならない。
MLB移籍を承認した球団は、NPBコミッショナーを通じてMLBコミッショナーに、このことを告知する。これをポスティングという。ポスティングの際には移籍譲渡金を設定する。
MLBコミッショナーは選手の情報をMLB各球団に通知する。
選手はポスティングの翌日から30日間、MLB球団と自由に契約交渉できる。契約が締結されればMLB球団は、その選手が所属していたNPB球団に譲渡金を支払う。
2012年までは譲渡金には上限がなかった。松坂大輔やダルビッシュ有は5000万ドルもの譲渡金が支払われた。日本円にして50億円以上。NPB一球団の年俸総額は20億円~40億円だから、これは非常に大きかった。球団は譲渡金を有力選手の獲得や、本拠地球場の改装、ファンサービスなどに充てた。